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#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

独り暮らしの老人セイロは、妻を亡くしてから庭に出ることさえやめていた。
花を見ると寂しさが増すからだ。
だが春のある朝、裏庭に見覚えのない小径が現れていた。
導かれるように進むと、そこには見事な花彩命の庭が広がっていた。

花に手を伸ばすと、突然、若い頃の記憶が鮮明に蘇った。
初めて妻に会った日の桜色。
結婚式で見た純白のドレス。
夫婦で旅した海辺の深い蒼。
花に触れるたび、色と共に思い出が流れ込んでくる。

庭の中央で、ひときわ美しい花が光を放った。
それは妻がいつも好んで育てていた黄色い小花だった。
彼が花を抱きしめると、まるで妻がそっと寄り添ったかのように
温かな記憶が腕の中に溢れた。

夕暮れになり庭を後にするとき、老人の表情は穏やかだった。
“思い出は、消えていなかった”──そう実感できたからだ。
それから彼は毎朝その庭を訪れ、
花々に語りかけるように、再びゆっくりと生き始めた。
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