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パマ

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はい。
どうでもいい話なんだけどさ最近恋愛ソングを聴くようになったんだ〜恋という恋してないけど
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元気でるよね🙏
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ハーロック

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第二話 (全二話)


「息ができへん
でも、誰も気づかん
外から見たら、ただ静かに沈んでいくだけや」

彼女の喉が、ひくりと動いた

「……そう」

「せやろ
せやから、自分は今、溺れとる
ほな、溺れとる奴に一番要らん言葉って何やと思う?」

彼女は答えた

「……元気出して」

男は頷いた

「せや
“元気出せ”は、溺れてる人間に“泳げ”言うのと同じや
泳げへんから溺れとるんや」

彼女は少し笑ってしまった
悔しいのに、口角が上がってしまう

「……じゃあ、どうすればいいの」

男は、夕陽の方を見た

「今日はな、泳がんでええ
ただ、浮け」

「浮く?」

「息を吸って、吐いて、浮く
恋の痛みってのはな、押さえつけたら沈む
泣けるなら泣け
泣けへんなら、ただ苦しがれ
それでええ」

彼女は、唇を噛んだ

「……でも、私が好きだった時間が、全部無駄みたいで」

男は首を横に振った

「無駄なわけあれへんがな
自分が誰かを愛おしいと思った時間はな
自分の人生の“果実”や」

その言葉が、胸の奥に落ちた
果実
熟れて、甘くて、でも皮は少し苦い

「自分はな、今日、失恋しとるんやない
“恋をほんまにした自分”に出会っとるだけや」

彼女の目が潤む

「そんなの……慰めにならない」

「なる日が来る
今はならんでええ」

男は、少しだけ声を柔らかくした

「自分、苦しいやろ
せやけどな、その苦しさは“自分の心がちゃんと動いた証拠”や」

「心が動いた人間は、深くなる
浅い人間は、痛みを知らんのや」

彼女は、夕陽を見た
波間に光が散って、宝石みたいにきらきらしている

「……私、もっといい女になれるかな」

男は即答した

「なれる、当たり前やがな
そやけど、条件がある」

「何?」

「この痛みを、雑に扱わんことや」

彼女は眉をひそめた。

「雑に?」

「“こんな恋、最初からしなければよかった”って言うなや
それはな、自分の心を殴る言葉や」

男は、指で砂に線を引いた

「自分は今日、泣いた
それは弱いからとちゃう
ちゃんと愛したからや」

「愛した人間は、優しくなれる
自分が痛かった分だけ、誰かの痛みに気づける人間になれるんやで」

彼女の頬を、風が撫でた
髪が揺れて、潮の匂いがした

「……でも、彼のこと、忘れられない」

「忘れんでええ」

男は言い切った

「忘れるのが正解やない
“思い出しても息ができる”のが正解や」

その言葉で、彼女の目から涙が落ちた
ぽとりと砂に落ちて、すぐ吸い込まれた

「私……苦しい」

「うん、苦しいな」

男は否定しなかった
慰めの言葉で上書きもしなかった
ただ一緒に、夕陽が沈むのを見た

彼女は泣きながら笑った

「……なんか、腹立つ
こんな綺麗な夕陽の日に、私だけボロボロで」

男は言った

「夕陽はな、誰のためにも沈む
せやけど、自分が泣いた日にも沈むってことはな——」

男は、そこで言葉を区切った

「世界は、自分の涙を“終わり”にせえへんってことや」

彼女は、呼吸を整えた
胸の痛みは消えない
でも、少しだけ、深く吸えた

「自分、今日の宿題や」

男が言った

「家に帰ったら、シャワー浴びて、温かいもん飲め
それだけや
“恋をした自分”を、最低限、ちゃんと扱え」

彼女は鼻をすすって、頷いた

「……それ、宿題っていうの?」

「そうや
失恋した女が、ちゃんと自分を扱えるようになったら、最強や」

彼女は、涙でぐしゃぐしゃの顔で笑った

「……最強、か」

「せや
自分はこれから、もっとええ女になる
今日の涙は、その証明書や」

夕陽が沈みきって、海が少し紫に染まった
波の音は変わらない

でも、彼女の胸の中の音だけが
少し変わっていた

立ち上がると、足元の砂が冷たい
それでも、歩けた

振り返ると、黒い服の男はもういなかった
でも、耳の奥に残っている

――忘れんでええ
思い出しても息ができるのが正解や

彼女は、胸の奥の痛みを抱えたまま、海辺の道を歩いた
痛みは、彼女の深みになる
涙の分だけ、人生は光る

誰かを好きになった心は
苦しいほどに美しい

それを知った二十二歳は
きっと、これからもっと優しく、強く、愛おしい女になる

そしていつか、真夏の海で思い出すだろう

あの恋は、終わったのではなく
自分の中で、ちゃんと熟れたのだと

夕陽は沈み
やがて夜空には無数の星が輝いた


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