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へろむ
彼女はグラスの縁を指でなぞりながら言った。
「簡単よ。その人のことを一日中観察してみたら。小さな癖が目について、だんだん嫌いになれるから」
「癖ってたとえば?」
「スマホを置いたときに指をこするとか、話終わりに唇を舐めるとか。そういうこと」
「ふむ。でも、そういうのも個性って言えるんじゃないかな」
「そう思えるうちは、まだ嫌いにはなれないわ。嫌うっていうのは、相手の個性を歪んだ角度で性格悪く眺める作業だから」
「なるほど」と僕は言った。
「でも、そんなふうに見るのは疲れそうだな」
「人を嫌うって、そういうものよ。わざわざやる必要もないこと。エネルギーの無駄遣い。ラブアンドピース」
彼女は少し微笑んでから、氷をストローでつついた。
「それにしても、あなたって本当にバカな質問するのね」
僕は黙ってグラスの底を見つめた。

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