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吉田賢太郎

吉田賢太郎

仮面ライダー:アイデンティティ・ブレイカー
あらすじ
過去の記憶を失った青年、天道 零(てんどう れい)。
唯一の手がかりは、彼の身体に埋め込まれた不可解な改造痕と、何者かによって仕込まれた**「ブレイク・ドライバー」**という変身ベルトだった。
謎の怪人「イレイサー」に襲われた時、彼はベルトの力で仮面ライダーアークスへと変身する。しかし、変身するたびにフラッシュバックするのは、断片的な「もう一人の自分」の記憶。その記憶は、おぞましい人体実験の記録や、怪人イレイサーが自身の「かつての仲間」であったことを示唆していた。
零は、自身の過去を取り戻すために戦い続ける。だが、記憶を取り戻せば取り戻すほど、自分が善か悪か、人間か怪人か、という**「アイデンティティ」の境界線**が揺らいでいく。
これは、失われた過去の自分と、今を生きる自分、二つの人格のはざまで、**「本当の自分」**を探し求める青年の物語。
プロローグ
「お前は、誰だ?」
鏡に映る自分の顔を、零はまじまじと見つめた。
そこに映るのは、見慣れた、しかし「自分」とは言い切れない他人のような顔。
いつからこの顔になったのか。なぜ自分はここにいるのか。
何もかもが空白だった。
零には、過去の記憶が一切なかった。唯一覚えているのは、病院のベッドの上で目覚めたこと、そして、全身に残る手術痕のような痕跡だけだ。医者は、原因不明の解離性健忘だと診断した。
窓の外では、陽気な夏の蝉しぐれが響いている。
零は、手元のスマートフォンでニュースアプリを開いた。
トップニュースは、奇妙な**「怪人イレイサー」**の目撃情報だ。
人間を襲うその姿は、零の胸に言い知れぬ不安を呼び起こす。
「イレイサー…」
無意識のうちに口に出たその名前に、零は戸惑いを覚えた。なぜ、この怪人のことを知っている?
その瞬間、彼の頭に鋭い痛みが走った。
──実験室。白い壁。機械音。
「失敗作だ…」という声。
──そして、自分自身が誰かを嘲笑っている、おぞましい記憶の断片。
激しい頭痛に耐えかねて、零は洗面台に身を乗り出した。
鏡の中に映る自分の瞳が、一瞬、赤く光った気がした。
それは、自分なのか、それとも、別の誰か……?
零のアイデンティティは、まるでガラス細工のように、脆く、崩れかけていた。
この物語は、そんな彼の人生の、始まりの合図だった。
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