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みち
彼は、地下の印刷工場で働いていた。
黙々と、毎日、ラッピングペーパーを印刷していた。
赤い花柄、
水玉模様、
白い星がちりばめられた濃紺の地。
そのすべては、
贈り物を包むための“包装紙”だった。
「中身じゃない。
捨てられるものを、俺はつくってるんだ」
そう言って笑う同僚の背中を見ながら、
彼はいつも黙って、印刷機の音を聞いていた。
ガシャコン、ガシャコン、ガシャコン。
まるで、自分の存在が刻まれていくみたいだった。
---
ある日、
彼はふとしたはずみで、
大量に刷り損じた紙を捨てにいった。
けれどその中に、
ひとつだけ、うっすらと文字がにじんでいた。
「ありがとう」
そう読めるような、そうでもないような、
滲んだインクの跡。
それが誰かの仕掛けたいたずらなのか、
機械の不調か、
それとも彼自身の幻だったのか、わからなかった。
でもそれ以来、
彼はときどき、
印刷の隅に小さな言葉をしのばせるようになった。
「元気で」
「ごめんね」
「きみが好きだった色だよ」
それはインクの下に隠れて、
誰の目にも映らない。
包みを開けた人にだって、気づかれることはない。
でもそれでも、
誰かの贈り物を守る紙のなかに、
“見えない言葉”を閉じこめていくこと。
それが、
彼がこの世界に残せる、
唯一の祈りのかたちだった。
---
今も彼は、
印刷機の音を聞きながら、
誰にも気づかれないラッピングペーパーを刷っている。
自分の存在ごと、
捨てられる運命のものを、
今日も静かに、誰かのために、
美しく印刷している。
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