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そう𖤣𖥧𖥣。
夜桜が静かに揺れていた。
弘前公園の桜まつりは、いつもよりずっと綺麗に見えた。
でも、その美しさが、妙に遠く感じた。
隣には、先輩がいた。
ずっと憧れていた人。初めてのデート。
「…きれいですね」
先輩が微笑んだ。
「うん、そうだね…」
さっきから、上手く言葉が出てこない。
先輩の笑顔が少しだけぎこちないのは、僕がうまく話せないせいだろうか。
屋台でこんにゃくを買ったけど、味がよくわからなかった。
ベンチに座ったけど、何を話せばいいのか分からなかった。
そして、とうとう帰り道。
満開の桜の下、提灯の明かりが道を照らしていた。
「…あのさ」
思い切って声をかけた。
「うん?」
「…また、来年も一緒に来ませんか?」
言葉を絞り出した。
先輩が静かに目を伏せた。
「……ごめんね」
その言葉が、ずっと響いていた。
「…先輩?」
「今日ね、すごく楽しかった。でも……来年は…たぶん、来れないかも」
「なんで…?」
「……私、来月から引っ越すの。遠くの学校に」
桜が散った。
風が吹いて、花びらが僕の足元に積もる。
「…そっか」
絞り出すように言った。
「ごめんね」
「…ありがとう。今日、楽しかったです」
笑わなきゃ、と思ったのに、声が震えた。
「私も、楽しかった」
その言葉だけが、胸に残った。
「ごめんね……言えなくて」
「……」
手のひらが震えた。言葉が出なかった。
頭では、何か言わなきゃってわかってるのに。
「でもね……今日、すごく楽しかったよ」
そう言って、先輩は笑った。
笑いながら、目尻に涙が溜まっていた。
「……楽しかったね」
そう返した瞬間、先輩の目から涙がひとすじ、頬を伝って落ちた。
それでも、先輩は笑っていた。
「……ありがとう」
僕は無意識に、隣に座る先輩の手を握った。
「先輩……」
「……またね」
その言葉を最後に、先輩はそっと手を解いた。
夜風が吹いた。
舞い散る桜の花びらが、ふたりの間に降り積もっていく。
ふと見上げた夜桜は、さっきまであんなに綺麗だったのに、今は霞んでよく見えなかった。
——来年も、この桜はきっと咲くんだろう。

【公式】第1回『春の理想&妄想デートプラン選手権』
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コメント
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モトチ
ポジティブな言葉だけど
これも不快なの?

ハッピ

紅一葉
どうしてフリフリの衣装なんでしょうか・・・?

今日も
インスタフォローリクとは何ですか?
インスタフォローリクは、Instagramで他のユーザーにフォローをリクエストすることを指します。具体的には、プライベートアカウントを持つユーザーが、自分のアカウントをフォローしたい人に対してフォローリクエストを送ることができます。以下に詳しく説明します。
プライベートアカウント: プライベート設定にしているアカウントは、フォロワーの承認がないとその投稿やストーリーを見ることができません。
フォローリクエストの送信: 他のユーザーがそのアカウントをフォローしたい場合、フォローリクエストを送信します。リクエストが送信されると、アカウントの所有者はそのリクエストを承認するか拒否するかを選べます。
承認後のアクセス: フォローリクエストが承認されると、そのユーザーはプライベートアカウントの投稿やストーリーにアクセスできるようになります。
この機能は、プライバシーを保ちながら特定の人とだけつながりたい場合に便利です。

だいふ

にゃん

⚾はる

山口愛
「俺様の美技に酔いなぁ!!!!!!!」

ろく

やまだ
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そう𖤣𖥧𖥣。 投稿者
弘前公園の桜まつりは、青森県弘前市で開催される日本屈指の桜の名所。約2,600本の桜が弘前城を囲み、堀に花びらが浮かぶ「花筏」や幻想的な夜桜が魅力です。春の風物詩として多くの人々に愛されています。
そう𖤣𖥧𖥣。 投稿者
※妄想です
あやか
自分で作ったんですか? 素晴らしい[照れる][ハート]
ぬっっっこステラ
嗚呼……。゚(゚´Д`゚)゚。