共感で繋がるSNS
GRAVITY(グラビティ) SNS

投稿

臼井優

臼井優

大学卒業者の就職率77.0%…大学生の就職状況などをさぐる
不破雷蔵
グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP       2/4(水) 11:01


今やブランド化の傾向もある大学だが、その大学の卒業者の就業の実情はどれほどのものだろうか。文部科学省が毎年実施している全数調査「学校基本調査」の公開結果値を基に確認する。

直近となる2025年においては、同年3月の大学卒業者のうち、正規・非正規雇用を問わず就職した人は77.0%。大学院や専修学校、海外の学校への入学など進学をした人は12.7%。一時的な仕事に就いた人は1.4%、進学も就職もしていない人(就職浪人や資格取得のための勉強、花嫁修業や結婚による専業主婦化など)は7.2%となっている。

そのうち「就職した人」の中で「非正規就業(フルタイムの契約社員、派遣社員)」に該当する人、一時的な仕事に就いた人(パート、アルバイト)、進学も就職もしていない人(進学準備中、就職準備中、家事手伝い、ボランティアなど)を合わせて、「安定的な雇用に就いていない人」の率を計算すると、2024年では全卒業者のうち11.0%となる。この値は「学校基本調査」で2012年分から新たに計算されたものだが(それ以前は「非正規就業(フルタイムの契約社員、派遣社員)」の値が計算されていない)、試算当初の22.9%から直近の11.0%へと大いに低減している。非正規就業に就く理由は人それぞれだが、その立場が正規就業と比べて低評価のものと仮定した場合、大学卒業生の雇用状況は改善されていることになる。

ただし2021年では前年比でプラス3.4%ポイントと大幅に悪化した。新型コロナウイルスの流行による景況感の後退が原因だろう。また就職した人の割合も2021年では前年比で悪化しており、やはり同様の原因によるものと考えられる。直近2025年ではいずれも2021年と比べて数字の上では改善している。

これらの値のうち主要なものを抽出し、前世紀末からの推移を見たのが次の折れ線グラフ。「安定的な雇用に就いていない人」の動向も別途グラフ化する。

今世紀に入ってからは金融危機直前にピークを迎えた就職率だが、その後急落(むしろ2008年9月のリーマンショックがタイミング的には近い)。これは雇用市場の冷え込みから、大学卒ですら就労先が決まらない、見つからない人が増えたことを意味する。次のグラフでも示すが、「進学も就職もしていない人」の比率がその分増加しているのが分かる。また、就職率の上下とほぼ反する動きとして「一時的な仕事に就いた人」と「進学も就職もしていない人」の合計率は増加する動きを示している。就活(就職活動)をしている、あるいは就活しながら短期的なアルバイトをしている人が増えていると考えれば、この動きは納得がいく。

もっとも2011年あたりから、雇用市場は回復を迎えている気配が見られる。就職率は少しずつ増加。それとともに「一時的な仕事に就いた人」と「進学も就職もしていない人」の合計も減少している。この動きは厚生労働省発表の就職(内定)率推移からも確認できる。もっとも2021年は新型コロナウイルスの流行による景況感の大幅な悪化で前年比で悪化する結果が出てしまっているが(就職率は減少、「一時的な仕事に就いた人」と「進学も就職もしていない人」の合計は増加)。

気になるのは「進学率」も低迷の動きを示していたこと。これは大学からさらに大学院に進学しても、就職の上では必ずしも有利とは限らない現状が、大学院などへの進学の魅力を押し下げているものと考えられる。あるいは大学院でさらに深く勉学に励むことと、就職先で生き甲斐などを見つけることへの優先順位・価値観に変化がでてきたのだろうか。実際、就職率の値にこだわって実情を確認すると、大学院の修士課程はともかく、博士課程や専門職学位課程の卒業者における就職率は、単なる大学卒業者よりも低い結果が出ている(グラフ化は略)。

一方で2021年以降、進学率は少しずつ増加の動きが見られる。新型コロナウイルスの流行で悪化した雇用市場をかんがみ、進学することであえて就職を先延ばしにする人が増えているのかもしれない。
GRAVITY
GRAVITY3
関連する投稿をみつける
話題の投稿をみつける
関連検索ワード

大学卒業者の就職率77.0%…大学生の就職状況などをさぐる