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塚本昌則『フランス文学講義――言葉とイメージをめぐる12章』より。




【テクストを読んでいるとき、私たちは文字の連なり以外、現実には何も見ていない。しかし、やがて文字を忘れ、何かが見えるように思えてきて火がつくようにページを繰る瞬間が訪れる。実際、ある時点でスイッチが入り、異界に滑りこむようにして何かが眼前で繰りひろげられる感触がなかったとすれば、文字を読むことは苦痛に過ぎないだろう。】

【ヴァレリーは「一人の人間に何ができるか」という疑問を追求した作家である。その探求を、さまざまな人物の中に身を置き、その人物の主観を通して何が見えてくるかを明らかにする形でおこなった。ある価値観、ある限界の中に身を置き、ある感情のフレームを通して見ることで、他人の見た世界を再構築しようとしたのである。「身を置く」ことは、知的分析だけでなく、苦痛や情念を通して考えることを可能とする方法なのだ。】
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【読書において、読者は語り手の言葉に触発されながら、自分で作りだしたイメージの脈絡に引きこまれている。それによって感情を動かされているのだ。実際に視覚化して確かめることのできる形がないかわり、自分がそのなかにいるという感触が、文学におけるイメージの大きな特色となっている。そのイメージは読み手の外部に、眼に見える形であたえられるものではなく、読み手の内部に、自分がそのなかにいると感じられる状況として実現されるものである。言葉を通して形成されるフレームに、読み手がどこまで自分を重ね合わせることができるかということが、記号の向こう側に広がっているもうひとつの世界の中に入りこむための鍵となるのである】

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