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はむ \(:3」∠)_

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つばさ

アクア−Devil
むかしむかし、深い森の中に、小さなネズミくんが住んでいました。
ネズミくんは、他の動物たちと違って、冬眠をしません。
寒い冬の間も、いつもぴょんぴょん跳ねて、森を歩き回っているのです。
ある年の秋、森の仲間たちが次々と冬眠の準備を始めました。
クマさんは大きな穴の中でふかふかの葉っぱを敷き、
リスさんは木の実をたくさん集めて巣ごもりに、
ハリネズミさんは丸くなって、静かに目を閉じました。
「みんな、長い間おやすみなさいね」
ネズミくんは、一軒一軒の巣の前で、小さく手を振りました。
冬が来て、森は真っ白な雪に包まれました。
風がびゅうびゅう吹いて、木の枝がきしきし鳴ります。
でもネズミくんは、毛皮のコートをぎゅっと着込んで、毎日外へ出かけました。
雪の下で凍えた小さな虫を探したり、
枯れ枝の下に隠れた木の実を少しだけ見つけたりして、
ひとりで冬を過ごしました。
あるとても寒い日、ネズミくんは雪の原っぱの端で、
小さな袋を見つけました。
中をそっと開けてみると……
色とりどりの小さな種が入っていました。
袋には、古びた紙にこう書いてありました。
「春一番に咲く花の種。
心を込めて土に埋めると、
一番早く、可憐な花が咲きます。」
ネズミくんは目を輝かせました。
「これだ!」
心の中で叫びました。
「みんなが目を覚ましたとき、
すぐに春を感じてほしい。
長い冬の夢のあと、
一番に笑顔になってほしい。」
それからネズミくんは、毎日少しずつ、
その種を大事に分けました。
そして、雪の降る夜や、風の強い朝も、
森中の仲間たちの玄関先へ、そっと出かけました。
クマさんの大きな洞窟の入り口に、
ひとつ、そっと置いて。
リスさんの木の上の巣の根元に、
ふたつ、そっと置いて。
ハリネズミさんの落ち葉のベッドの横に、
みっつ、そっと置いて。
誰にも気づかれないように、
足音を忍ばせて、
小さな種を、みんなの玄関に置いていきました。
冬が終わり、雪が溶け始め、
森に柔らかい陽射しが戻ってきたころ、
仲間たちが目を覚ましました。
クマさんが大きく伸びをしながら洞窟から出てくると、
入り口に小さな土の盛り上がりを見つけました。
そこから、青い小さな花が、ぽつんと咲いていました。
「なんだ、これは……?
春が、もう来てくれたみたいだ。」
リスさんが木から降りてくると、
巣の根元に、黄色い花がにこにこ笑っているようでした。
「おやおや、誰かが春を届けてくれたのかな?」
ハリネズミさんが葉っぱをどけると、
白い小さな花が、恥ずかしそうに首を傾げていました。
森中の仲間たちが、
それぞれの玄関で、春一番の花に出会いました。
みんな、不思議そうに、嬉しそうに、
花を見つめました。
そして、ある日、みんなが集まったとき、
誰かが言いました。
「きっと、冬の間ずっと起きてたネズミくんが……」
みんなが顔を見合わせ、にっこり笑いました。
その春、森はいつもより早く、
色とりどりの花でいっぱいになりました。
そして、ネズミくんは、
みんなの笑顔を見ながら、
静かに、心の中でつぶやきました。
「よかった。
みんな、春を好きでいてくれて。」
それからずっと、森の仲間たちは、
春が来るたびに、
あの小さな花を探すようになりました。
そして、誰かがそっと置いてくれた優しさを、
ずっと忘れませんでした。
おしまい。


ちゃむたろう(初見)

神山識(闽)
嘿嘿嘿


松🌲


証人B
可愛いって言われてぇ〜
けどそんな可愛い写真なんかねぇ〜
だから猫の写真を私だと思って可愛いって言ってくれ〜

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少し読んでるのもあるけれどほとんどが未読で、どのシリーズも気になっています
自分のペースでは10年以上かかりそうですが…!?
作家アリスも最初から読み直したくて〜

HAL(ハル)🔴
ティム・バートンのイラストがとても素敵ですね
#ティムバートン #Disney #誕生日 #映画 #GRAVITY映画部

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