藪内流（やぶのうちりゅう）とは、桃山時代に千利休の高弟である藪内剣仲(けんちゅう)が創始した茶道の流派で、「古儀茶道」とも呼ばれ、武家茶と利休の侘び茶を融合させ、格式と精神性を重んじる茶風が特徴です。利休の同門として強い絆を持ち、武家とのつながりも深く、その所作は大ぶりで「男性的」「武家点前」とも評されますが、茶の湯の根本に「正直・清浄・礼和・質朴」を掲げ、門人組織「竹風会」や「燕庵」を通じて現代まで受け継がれています。

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臼井優

2025/12/27

藪内流（やぶのうちりゅう）とは、桃山時代に千利休の高弟である藪内剣仲(けんちゅう)が創始した茶道の流派で、「古儀茶道」とも呼ばれ、武家茶と利休の侘び茶を融合させ、格式と精神性を重んじる茶風が特徴です。利休の同門として強い絆を持ち、武家とのつながりも深く、その所作は大ぶりで「男性的」「武家点前」とも評されますが、茶の湯の根本に「正直・清浄・礼和・質朴」を掲げ、門人組織「竹風会」や「燕庵」を通じて現代まで受け継がれています。
特徴と歴史
創始者と背景: 17世紀初頭、千利休の茶風を継承しつつ、武家茶の影響も受け、京都・大徳寺近くの「燕庵」を拠点に流派を確立しました。
茶風: 紹鴎・利休の「侘び茶」と、古田織部の「武家茶」が調和しており、格式を保ちつつも、精神性を重んじる古風な茶道を伝えます。
「下流」: 京都の下京区に本拠を置いたため、上京区に屋敷を構えた千家（上流）に対し「下流」とも呼ばれていました。
「武家点前」: 所作が大ぶりで力強いことから「武家点前」と称され、帛紗を腰の右側につけるなど、独特の作法があります。
根底にある精神
「正直・清浄・礼和・質朴」: 「正直を以て心を守り、清浄を以て事を行い、礼和を以て人と交わり、質朴を以て身を修める」ことを基本としています。
「直心の交わり」: 亭主と客が心を込めてお茶を供し、感謝していただくことで生まれる「深い絆」を大切にしています。
現代の藪内流
家元制度: 14代家元・藪内允猶斎(やぶのうちじょうゆうさい)が「燕庵」を拠点に活動し、茶の湯の国際交流にも貢献しています。
組織: 門人組織「竹風会」や、重要文化財の茶室「燕庵」を維持する「財団法人藪内燕庵」があります。

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