コメントありがとうございます。 速読による読了を「読んだ」と見なすか、精読による「読んだ」と見なすか、という問題はあるように思います。 コメント主様は、とても誠実な姿勢で本に向き合っておられるのだろうと想像しました。 私自身もこれと似たような問題意識は元々あって、個々の文が前後の文とどう繋がっているか、また、個々の単語にどのような意味合いで使われているか、一昔前は細かく確認しながら読んでいました。 ただ最近では、どうにも気が散りやすく、さっと読むだけでも難しい。 限られた時間のうちに速読しなきゃと、焦る気持ちに襲われもします。

コスパ重視の社会において、丁寧に一字一句を味わいたい気持ちもある。しかしそれだと読める冊数は限られてくる。…… 様々なダブルバインドに囚われており、何が正しい読み方であるか、昔どのように読んでいたかと自問するうち、本を読むのが怖くなってしまった部分もあります。 しかしながら、そのような恐怖も含め、読書の面白味なんだろうなと自分自身を励ましています。 それはさておき、コスパもタイパも失念し、１冊の本に没入できる感覚を、少しでも多く保っておきたい。取り戻したい。そう思います。

@צ'יןפואו ： 貴重なご意見、ありがとうございます。 そちらも読めない時期を経験なさったのですね。 私の方は、とにかく読むモチベーションを高めようと、印南敦史『遅読家のための読書術』、近藤康太郎『百冊で耕す』あたりを最近読みました。 多忙な社会人（ライター）が、大量の資料を捌く方法としては興味深い内容でしたが、自分の読書スタイルとして定着する所まではいきませんでした（ただ、読書への苦手意識は多少減ったかもしれません）。 ご紹介頂いた若松さんの読書論も、目にした事は何度かあります。 世の中には様々な読書術が溢れていますが、自分にフィットする読み方を知っているのは、やはり自分自身なのかもしれませんね。

@צ'יןפואו ： 納得感の強さと、問題意識の噛み合わせ。これがぴったり一致する時、精読が苦では無くなるのかもしれません。 私はごく稀にですが、内面に深い爪痕を残すような、あるいは日常的な生活感覚をぐるんと回転させられるような、そういう本に巡り合う事があります。 こういう手応えを記憶にしっかり刻んでおけば、出会うべき本をサーチしやすくなるのかも。 なるほど、前書き、後書き、参考文献、出版社。良質な本に辿り着く為の段取りがあると、読書に入る前の段階で、時短になって良いですね。