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アクア−Devil
おかあさんうさぎのミルと、元気いっぱいのこどもうさぎのピコ。
ピコは走るのが大好きで、いつも森中をピョンピョン飛びまわっていました。
でも、ひとつだけ困った癖がありました。
誰かにぶつかったり、物をこわしたりしても、
「ごめんなさい」が、どうしても言えないのです。
ある日、ピコは夢中で走っていて、
おばあさんかめの甲羅をガツン!と割ってしまいました。
おばあさんかめは痛そうにうずくまり、
「ピコちゃん、痛いよ……」と小さな声で言いました。
みんなが集まってきて、
「ピコ、ごめんねって言おうよ」
と言っても、ピコは耳をペタンと倒して、
「……べつに、わざとじゃないし」
とプイッと横を向いてしまいました。
その夜、おかあさんミルはピコを抱きしめて、静かに言いました。
「ピコ、ママはね、ピコのことが世界でいちばん大好きだよ。
だから、ピコが困ったときも、悲しいときも、いつもそばにいるよ。
……でもね、ごめんなさいを言えないピコを見ていると、
ママ、少しさみしくなっちゃうな」
ピコはびっくりして、
「どうして? ママはピコのこと嫌いじゃないんでしょ?」
と聞きました。
ミルは優しく微笑んで、
「大好きだよ。ずっと大好き。
でも、ごめんなさいって言えないと、
傷ついたお友だちの心に、ふたをしてしまうの。
ママは、ピコが誰かを傷つけたまま、ひとりで寂しい思いをするのが、いちばん嫌なんだ」
ピコはモゾモゾしながら、
「……でも、言ったら、ピコが悪いってことになるじゃん。
なんか、負けたみたいで、嫌なんだ」
ミルルはピコの頭をなでて、
「謝るって、負けることじゃないよ。
『君の気持ちをちゃんと見てるよ』って、
勇気を出して伝えることなんだよ。
ママだって、パパに怒られたとき、謝るの恥ずかしいけど、
『ごめんね』って言ったあと、すごくホッとするんだ」
その言葉が、ピコの胸にじんわりしみました。
次の朝、ピコはおばあさんかめの家に走っていきました。
手には、自分で摘んだクローバーの花束。
ドアの前で、ピコは一度深呼吸して、
「お、おばあさんかめ……!
昨日は、甲羅を割っちゃって、本当にごめんなさい!
痛かったよね……。もう、絶対気をつけるから!」
おばあさんかめはゆっくり顔を上げて、にっこり笑いました。
「ありがとう、ピコちゃん。
その言葉を待ってたよ。もう痛くないから大丈夫。
さあ、おいで、一緒にお茶にしよう」
ピコの胸が、ふわっと軽くなりました。
まるで、背中にあった重い石がポロッと落ちたみたい。
その日から、ピコは少しずつ「ごめんなさい」を言えるようになりました。
最初は声が小さかったけど、
言ったあとにみんなが笑ってくれるのを見て、
だんだん大きな声で言えるようになりました。
ある日、ピコはおかあさんにぎゅっと抱きついて、
「ママ、ありがとう。
『ごめんなさい』って、魔法の言葉だったんだね。
言ったら、みんなの心がつながるんだ」
ミルはピコの耳をそっと撫でて、
「そうよ。愛情ってね、
『大好きだよ』だけじゃなくて、
『ごめんね』も『ありがとう』も、全部ひっくるめて伝えることなんだよ」
それからもピコは、ときどき失敗するけど、
そのたびにちゃんと「ごめんなさい」を言って、
みんなと手をつなぐことをやめませんでした。
だって、ピコはもう知っていたから。
本当の「ごめんなさい」は、
心と心を、もっと強く結ぶ、
いちばん温かい魔法の言葉だってことを。
おわり

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