「どんなことがあってもあなたは悪くない。絶対に自分を責めないでください」

投稿

ひよこ

2025/12/03

「どんなことがあってもあなたは悪くない。絶対に自分を責めないでください」
自分の赤ちゃんをおろさなければならない。そうなったとき担当の先生がそう言ってくれた。
どんなに心強かったか。何度も励まされた。

一人で真っ暗の部屋で、シャワーを全開にしてわんわん泣いた。
みっともないくらい泣いた。

やっとお腹に来てくれた赤ちゃん。どうして自分で諦めなければならないのか。
抱っこしたいよ。大きくなったところ見たいよ。私の赤ちゃんを返して欲しい。
まだ生きているのに。まだ生きようとしているのに。

妊娠6ヶ月での死産を選択せざるを得なかった。

陣痛がくる中、自分には痛いとか苦しいとかそんなこと言える権利がないとすら思った。
この子の命を奪ってしまう。どうして自分が代わってあげられないのか。
現実はなんて残酷なんだ。陣痛てこんな痛みなのか。もうこんな思い二度とできない。息もできない。
神様、助けて、自分の寿命が短くなってもいい。なんでもいい、奇跡が起こったりしてこんな悪夢が嘘になったらいい
18トリソミーなんて冗談でほんとはなんでもないと言って。お願い。なんでもするから。
元気に生まれてくれるから痛いって言える。辛かったとか笑っていられる。惨めだ。自分は声を上げる権利すらない。

大学病院勤めというのに上司の理解はゼロで「産休なんてあげない」「病欠で休め」と妊娠６ヶ月の妊婦の私に追い討ちをかけるような職場だった。私は人間として扱われたい。私はPTSDになった。

私には怒りで眠れない日が、怖くて眠れない日が何度もある。
上司には、私が子を失う悲しみを味わえばいいとすら思う。どんな気持ちか、のたうちまわればいい、地獄に堕ちろと願わない日はない。憎くて憎くてたまらない。

久しぶりに妊娠中お世話になった先生に業務中すれ違った。

「調子はどうですか。もう落ち着きましたか。もうね、妊活しても大丈夫ですよ。気にしなくていいんですよ。18トリソミーは確率の問題なんです」

「先生、不安で、怖くてもう私は妊娠できないと思います。あの後、旦那にものすごく責められました。もう離縁してしまいましたが。何か検査が必要ですか？遺伝子検査とか他の検査が。もう二度とあのような思いはできません」

「そんなことがあったんですね。残念ながらトリソミーが確率で発生してしまうことに理解がない方が一定数いらっしゃるのも現実です。我々は医療者だから理解できる面々もありますが一般で医療の知識が乏しいパートナーだと奥さんを責めるという方も多いのが現実です。検査は、しなくて大丈夫です。」

「私の年齢だと7000分の１の確率ですよね。少なくも多くもないという感じなんですかね」

「そうですよ。次は、元気な赤ちゃんができるし、あなたのせいじゃないんです。もうね、自分を責めなくていいんですよ。今は独身に戻られたんですね。次のパートナーにも言わなくていいくらいですよ。それくらいの確率なんですね。僕は移動してしまいますので今度連絡先を交換しましょう。いつでも連絡してきてください」

ここは職場だからできれば泣きたくない。目にいっぱい涙がたまる。
どうしよう、私、ここ最近でいちばん、嬉しかった。
私に起こった出来事を婦人科の男性の医師が理解を示してくれて。
きっと私以外の妊婦さんが責められたり、追い詰められてきた人たちをたくさん診てきているんだろうな、そう感じた。

いつか叶えたい。我が子を抱くこと。

皆さんの「いいね」は私に届いています。励みになっています。ありがとうございます。
私に起こった出来事はとても悲しい出来事でした。PTSDにもなりました。今までにないストレス、不安、パニックなどにも陥りました。
ですが、日々の中にも希望を見出そうとしています。

今、辛くて、苦しい妊婦さんの力にもなれたら嬉しいです。あなたは一人じゃない。この投稿が誰か困っている人の、悩んでいる人の支えや助けになったら嬉しいです。