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アクア−Devil
**絵本風・超長文物語
「コルと回りつづける歯車の森」**
広大な森の外れに、
霧に包まれた小さな村 ハッパの村 がありました。
村は静かで平和でしたが、
ひとつだけ“他の村にはない秘密”を持っていました。
それは、村に生まれた子どもたちの胸に
ひとつずつ授けられる 「銀色の歯車」。
その歯車は、持ち主が行動するたびに回り、
回るたびに持ち主の力が目に見えない形で育っていくと言われ、
村人たちはそれを “成長の歯車” と呼んでいました。
しかし、少年 コル だけは
その不思議な仕組みを信じていませんでした。
――行動しただけで成長なんてするものか。
――そんなのは大人たちのおとぎ話だ。
そう思いながら、コルは毎日を過ごしていました。
---
◆ 迷子のウサギと最初の回転
ある霧の濃い朝、コルが森を歩いていると
小さなウサギが泣きながら道の真ん中にいました。
「家が分からないの……!」
本当は怖かった。
森は複雑で、道もまだ覚えきれていない。
けれどコルは、泣いているウサギを放っておけませんでした。
“やるしかない” と腹をくくり、
ウサギを連れて森の奥へと向かいました。
その瞬間――
コツン……コロリ。
胸の歯車が、ほんの少しだけ回ったのです。
すると、霧の中にうっすらと
「安全に続く道」が光って見えました。
心の中に、地図がふっと浮かび上がるようでした。
無事にウサギを送り届けた時、
コルは胸に手を当ててつぶやきました。
「……ほんとうに、回った。」
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◆ こわい川を越えた日
次の日、コルはずっと避けていた
森の“早流れ川”の前に立っていました。
胸がどきどきしていましたが、
昨日の“ひと回転”が、小さな勇気を灯していました。
一歩、また一歩。
水しぶきを怖がりながらも、石の上を見極めて進む。
すると、また歯車が――
コロリ、と滑らかに回った。
その瞬間、
川の流れの強い場所・弱い場所が
不思議なくらい分かるようになりました。
「わかった……行動したから、見えるようになるんだ。」
---
◆ たくさんの挑戦と、たくさんの回転
その日を境に、コルの毎日は変わりました。
畑仕事を手伝えば、手の動きがどんどん器用になり、
年寄りの家を掃除すれば、
人の気持ちを察する力が育ち、
知らない子に笑顔で挨拶すれば、
誰かとの距離を縮める力が育ちました。
そのたびに――
コロリ
コロリ
コロリ……
と歯車がまわり、
その音は森の風のように、
どこか温かく、どこか誇らしげでした。
---
◆ 成長の塔と長老の言葉
あるとき、村の中心にある
“成長の塔”へコルは招かれました。
そこには、かつて村に生きた人々の歯車が
ずらりと並んでいました。
大きなもの、小さなもの、
太く輝くもの、ゆっくり回るもの。
塔の最上階で、長老が言いました。
「コル。
歯車が成長しているように見えるじゃろう?
だがのう、本当に育っているのは――」
長老はコルの胸を、軽くトンと指でつつきました。
「君自身じゃよ。
歯車は、“行動した証”を見える形にしてくれているだけ。
そして人は、“証”が見えると、
また次の一歩を踏み出しやすくなるのじゃ。」
コルは息をのむようにうなずきました。
涙が少しこぼれそうになりました。
“行動する → 歯車が回る → 変化に気づく → また行動できる”
それはまるで、
自分だけの成長のはしごを
少しずつ登っていくみたいでした。
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◆ そしてコルは旅に出る
歯車は、いつの間にか
子どもの手のひらほどの大きさに育っていました。
コルは村の外に広がる道を見つめ、
静かに決意を固めました。
「もっと回そう。
もっと僕は変われる。
行動する限り、僕の歯車は止まらない。」
その背中を、森の風が優しく押しました。
遠くで聞こえた鳥たちの声は、
まるで応援歌のようでした。
コルは歩きながら、胸の歯車に触れました。
“今日もひとつ、回してみよう。”
そう呟きながら、
一歩一歩、未来へと進んでいきました。
森には、彼の歯車の
軽やかな回転音が響きつづけました。
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