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アクア−Devil
🌟絵本風長文物語「おどらせるきょくのひみつ」🌟
むかしむかし、山あいの小さな町に、クラマ・ジュロウ博士という不思議な研究者が住んでいました。
ひげの先をくるんと丸め、黒めがねの奥の目は、いつも何かおもしろいものを探しているように輝いていました。
博士の研究室には、見たこともない形の機械や、色とりどりのランプ、そして奇妙な音を出す箱がぎっしりと並んでいました。
ある日のこと。
研究室のドアが、こんこん、と控えめにたたかれました。
入ってきたのは、立派なスーツを着たレコード会社の男の人でした。
「クラマ先生、音楽はお好きですか?」
博士はヒゲをひとつひねりながら答えました。
「うむ、嫌いではありませんな。」
「作曲をされたことは?」と男の人がたずねると、博士はあっさり言いました。
「いや、やったことはない。しかし……作ろうと思えば、できますぞ。」
レコード会社の男の人は目を丸くしましたが、すぐににこっと笑いました。
「ではぜひ、先生にお願いしたいことがあるのです。
その曲を聞いたら、みんなが踊り出さずにはいられない——そんな魔法のような曲を、作っていただけませんか?」
博士は面白そうに目を光らせました。
「ふむ……人を踊らせる曲か。なるほど、試す価値はありますな。」
すると、そのときでした。
研究室の棚の陰から、ひょっこりと小さな女の子が現れたのです。
博士の助手の友だちの、町に住む女の子でした。
「……わたし、いやだわ。」
小さな声で、でもはっきりと言いました。
「おや、どうしてですかお嬢さん?」
レコード会社の男の人が、ひげをなでながらたずねます。
女の子は少しむっとしたように、ぎゅっとスカートのすそをにぎりました。
「わたし、踊りたくないときだってあるの。
なのに、曲を聞いただけで踊っちゃうなんて……そんなのいやだわ。」
男の人はぽかんとし、博士はふふふとヒゲを揺らして笑いました。
そして男の人は改めて博士に言いました。
「先生、どうでしょう。
この“踊りたくない”と言っているお嬢さんまで思わず踊ってしまうような、愉快な曲を作ってみては?」
博士は胸をどんと叩きました。
「よし、やってみましょう!」
こうして博士は、すっかりその気になって研究室の奥へと戻りました。
そこから、博士の長い長い研究が始まりました。
博士は電気の力をつかって、まるで星のささやきのような音を作り出しました。
金属をこすり合わせてみたり、風を通すパイプを鳴らしてみたり、
ときには研究室の外で拾ってきた葉っぱを機械に入れて、
「これはどんな音になるかな?」とワクワクしながら試してみたりしました。
博士は新しい音を作るたびに、それを小鳥に聞かせました。
小鳥は首をかしげたり、羽をふるわせたりしました。
ネズミたちはぴょこんと跳ねたり、すばやく逃げたりしました。
博士はそれをいちいちノートに書きとめ、また別の音を作りました。
もちろん博士自身も、何度も何度も聞きました。
「うーむ、これでは尻尾しか動かん。足が動かねば踊りとは言えん!」
「むむ、これは踊る前に眠ってしまいそうだ……」
そう言っては作りなおし、機械の音を調整してはまた試しました。
何日たっても、何週間たっても博士はあきらめませんでした。
夜になってもランプの明かりを消さず、
音の波が研究室いっぱいにゆらゆらと漂っていました。
そして——
ある朝、博士はついに椅子からがばっと立ち上がりました。
「…………できたぞ!」
博士の目は、夜明け前の星のようにきらきらと輝いていました。
その曲は、誰かを無理やり踊らせるためのものではありませんでした。
聞いた人の心の奥の、やさしいところをそっとたたいて、
「あ、なんだか動きたいな……」
そんなふうに感じさせる、不思議であたたかい音の重なりでした。
レコード会社の男の人は驚きました。
「こ、これは……なんという曲でしょう!」
女の子は静かに耳をすまし、ふわっと笑顔になりました。
「……踊りたくない時でも、踊りたくなる時はあるんだね。」
博士はうれしそうにヒゲをなでました。
「そうとも。音楽は、人の自由な心と仲よしでなくてはならんのですよ。」
こうして生まれた曲は、町じゅうの人々をやさしく包みこみました。
誰も無理には踊らされませんでしたが、
気づけば、子どもも大人も、おばあさんも通りの犬まで、
思い思いのタイミングで、そっと、楽しく身体を揺らしていたのです。
そして博士は心の中でそっとつぶやきました。
「踊りたいときに、踊ればよい。
音楽の魔法とは、そういうものだからな。」
おしまい。

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カマッテヨォーはどんな作品?
カマッテヨォーは、日本の音楽バンドで、特に独特なスタイルとテーマで知られています。以下にその特徴を示します。
ジャンル: カマッテヨォーは、ポストロックやエモ、インディーロックの要素を取り入れた音楽を制作しています。彼らの音楽は、感情的でありながらも実験的なアプローチが特徴です。
歌詞のテーマ: 歌詞は、孤独、愛、社会問題など、深いテーマを扱っています。特に、若者の心情や葛藤を反映した内容が多く見られます。
パフォーマンススタイル: ライブパフォーマンスは非常にエネルギッシュで、観客とのインタラクションを大切にしています。視覚的な演出も取り入れ、音楽だけでなく、全体的な体験を提供します。
アルバム: 代表的なアルバムには「カマッテヨォー」や「アナログ」などがあり、これらの作品は批評家から高く評価されています。
影響: 日本の音楽シーンにおいて、カマッテヨォーは新しいスタイルを確立し、多くのフォロワーを生み出しました。彼らの音楽は、他のアーティストにも影響を与えています。
カマッテヨォーは、独自の音楽スタイルと深い歌詞で、多くのリスナーに支持されているバンドです。

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