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アクア−Devil
『ことばの森と三つの声の秘密』
むかしむかし、広い広い森の真ん中に、
木の図書館のような家に暮らす、小さなフクロウのコトリがいました。
コトリは本を読むのが大好きで、森のみんなと仲良くなるのも大好き。
だからこそ、誰とでも気持ちよくお話できる“おしゃべり名人”になりたいと、
毎日のように木の枝に座っては、森の仲間に声をかけていました。
けれども――。
ある日、年寄りのリスのおばあさんに、こんなことを言われたのです。
「コトリや、おまえさんは“声”を一つしか持っていないようだねぇ。」
コトリはぱちぱちと目を瞬かせました。
「声って、一つじゃないの? ボクはいつもと同じ声でしゃべってるけど……。」
するとおばあさんリスは、しっぽをふわりと揺らして、
「ふふ、ついておいで」と言いました。
---
◆ことばの泉へ
案内されたのは、森の奥深く。
いつもは近づけない静かな場所に“ことばの泉”と呼ばれる池があり、
その水面には、太陽でもなく月でもない、三つの光が浮かんでいました。
泉は透き通り、近づくほど、胸の奥がすうっと静かになります。
コトリは思わず羽を震わせました。
「ここは……すごい場所だ。」
おばあさんリスは、泉をそっと見つめながら言いました。
「ここには、ことばの根っこが眠っているのさ。
そしてね、誰もが持つ“三つの声”の秘密が、この泉には映るんだよ。」
---
◆第一の光:ていねいの光
金色の光は、穏やかであたたかい。
コトリが泉にそっと指を入れると、水面に言葉が浮かびました。
「お願いします」
「ありがとうございます」
「よろしければ、どうぞ」
知っている言葉ばかりなのに、
泉の金色に照らされると、とても優しく、風のように心へ流れ込んできます。
「これは“ていねいの声”。
相手の心に、そっと花を置くような言葉だよ。」
おばあさんリスは静かに言いました。
「誰とでも気持ちよく話すための、一番最初の声なんだ。」
コトリはうなずきました。
「ボク、よく使ってる気がする。でも……時々軽く聞こえちゃってたのかな。」
おばあさんリスはにっこり微笑みました。
「それは、まだ声の幅が一つだったからさ。」
---
◆第二の光:うやまいの光
青い光は、澄みきった空気のようでした。
水に近づくほど、背筋が自然と伸びていきます。
耳を澄ませると、
「お手数をおかけしてしまい恐縮です」
「ご教示いただければ幸いです」
「いつもお世話になっております」
どれも丁寧よりもう一歩深い、
相手を敬う気持ちがしっかり形になった言葉たちでした。
「これは“うやまいの声”。
礼儀としての敬意だけじゃない。
『あなたを大切に思っています』って気持ちそのものの声なんだよ。」
おばあさんリスは、青い光をすくうように手を動かしました。
「目上の人、初めて会う人、距離の遠い人には、
ていねいの声だけでは足りないことがある。
だから、この声が必要なんだよ。」
コトリは真剣な顔になりました。
「なるほど……。相手の場所が高いときは、ボクも少し高い枝に乗って話すような感じなんだね。」
---
◆第三の光:ちかづきの光
最後の光は赤く、ぽかぽかと心を温めてくれました。
泉の表面がゆるりと揺れ、そこに映る言葉はあたたかいものばかり。
「助かったよ、ありがとう!」
「ほんとに嬉しいよ」
「きみと話すと楽しいね」
ふだん仲のいい誰かへ素直に伝える、心そのままの声。
「これは“ちかづきの声”。
遠慮しすぎると距離が生まれちゃうけれど、
素直になれば、心はすぐそばにくる。」
おばあさんリスはコトリを見つめて言いました。
「家族、友達、信頼している仲間には、この声がいちばん喜ばれるのさ。」
コトリは胸に手を当ててつぶやきました。
「そっか……。敬語だけが立派なんじゃなくて、
仲良しには“仲良しの声”があるんだ。」
---
◆気づきの時
三つの光を眺めながら、コトリは大きく息を吸い込んで言いました。
「わかったよ、おばあさん。
どの声が一番いい、っていう話じゃないんだ。
相手との距離や気持ちに合わせて、声を変えるのが大事なんだ!」
おばあさんリスは、満足そうにうなずきました。
「そうさ。
声を選ぶとは、相手の心を大事にすること。
それができる子は、どこへ行っても好かれるよ。」
---
◆コトリ、三つの声を使い分ける
その日からコトリは、森の誰と話す時も、
胸の奥で小さく問いかけるようになりました。
「この相手とは、今どれくらいの距離かな?」
「今日はどんな声が合うんだろう?」
初めて会うシカの先生には、青い光の“うやまいの声”を。
木の実を拾ってくれたウサギの兄さんには、金の“ていねいの声”を。
いつも遊んでくれるリスの子どもたちには、“ちかづきの声”で笑い合う。
すると、森のみんなが言うようになりました。
「コトリと話すと、なんだか心が落ち着くね。」
「コトリは相手に合わせるのが上手だなあ。」
コトリはほんとうの意味で、
森一番の“おしゃべり名人”になったのです。
そして、泉の三つの光は静かに輝きながら、
今日も森のどこかで、誰かの言葉を照らしています。
おしまい。

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