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アクア−Devil
月の光がささやく夜。
古びたサーカスのテントの奥で、ひとりの道化師が笑っていました。
その名は―― 闇道化師サギー。
顔にはいつも笑いの仮面。
けれどその瞳の奥には、冷たい炎がゆらめいていました。
---
「ふふ……今の私の力では、あの翼竜には敵わぬか。」
サギーはボロボロのカードを手のひらでなでながらつぶやきました。
目の前に立つのは、赤い鱗をもつ巨大な竜。
炎のように唸り声をあげ、翼を広げるたびに地面が震えます。
「サギー! もうやめるんだ!」
仲間のピエロ・ミモが叫びました。
「この戦いに意味はないよ!」
しかしサギーはゆっくりと首をふりました。
「意味は……自分で作るものだ。
このカードが私にそう教えてくれた。」
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彼は黒い帽子の中から、一枚のカードを取り出しました。
それは封印の魔法カード―― 『闇エネルギー』。
「来い、闇の力よ。
今こそ、この身に宿れ。」
光が消え、あたりを黒い風が包みます。
カードからあふれ出した闇のオーラが、サギーの衣をゆらめかせました。
「攻撃力――三倍。」
闇の炎が燃え上がり、彼の影が翼竜の姿に重なります。
道化師の笑いが、雷のように夜空に響きました。
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翼竜が炎を吐く。
サギーがそれを受け止め、闇の刃を突き立てる。
「ふふ……これが、闇の踊りだ。」
炎と闇がぶつかり合い、森が揺れました。
やがて光が爆ぜ、竜の姿が消え、風だけが残りました。
---
サギーは静かに膝をつきました。
黒いオーラはやがて薄れ、ただの笑うピエロに戻ります。
ミモが駆け寄って言いました。
「勝ったの?」
サギーは少しだけ笑いました。
「勝ち負けじゃないさ。
私が闇と手を取り合えたこと――
それが、今日の“芸”だったのさ。」
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夜が明け、空には新しい朝の光。
サギーは帽子を脱ぎ、風に一礼しました。
「闇は恐れるものではない。
使い方次第で、希望にもなるのさ。」
そう言って、彼はまた旅芸人の道を歩き出します。
カードを胸に、仮面の下の笑顔を少しだけ柔らかくして。
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🌙 おわり 🌙

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