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泡沫𓈒𓋜𓈒𓏸
きちんとおめかしをして出てきた彼女はあくびをしながら言いました。
「あぁ!やっと目が覚めたわ...ごめんなさいね...まだ髪が乱れたままだわ...」
小さな王子さまは感動を抑えることができませんでした。
「あなたはなんて美しいんだろう!」
その花は穏やかに答えました。
「そうでしょう。わたしは太陽と一緒に生まれたんですもの...」
小さな王子さまは、彼女があまり謙虚ではなさそうなことに気づきましたが、それでも彼女はたいそう魅力的でした!
「朝食の時間だわ」
彼女は続けて言いました。
「あなた、なにか用意してくださらないかしら...」
小さな王子さまは戸惑いつつも、じょうろを探しに行くと、新鮮な水を汲んでその花に与えました。
かくして、彼女の少し気難しくて見栄っ張りな性格は、すぐに小さな王子さまを困らせることになりました。例えば、ある日、彼女が4本のトゲについて話していたとき、小さな王子さまに向かって言いました。
「鋭いツメを持ったトラたちがやって来るかもしれないわ」
小さな王子さまは言い返しました。
「僕の惑星にトラはいないよ。それにトラたちは草は食べないんだ」
その花は穏やかに答えました。
「わたしは草ではありませんわ」
「ごめんなさい...」
「わたしはトラなんて全然恐れていないわ。でも、風が恐いの。あなた、ついたてをお持ちでいらっしゃらないかしら?」
小さな王子さまは言いました。
「風が恐いだなんて...植物なのに、仕方がないなぁ。なんて厄介な花なんだろう...」
「夜になったらわたしにガラスをかぶせて下さいね。あなたの惑星はとても寒いんですもの。居心地が良くないわ。わたしが以前に住んでいたところなんて...」
ところが彼女はそう言いかけてやめました。彼女は種のかたちで被われたままやって来たのでした。他の世界のことを知っているはずがなかったのです。彼女は、見え透いた嘘をついてしまったことに気づいて恥ずかしくなり、咳払いを2、3回しました。
「ついたては?...」
「僕が探しに行こうとしたら、あなたが話しかけてきたんじゃないですか!」
すると彼女は、小さな王子さまに後悔させるために、無理に咳をしました。
こうして小さな王子さまは、好意を寄せてはいたものの、すぐに彼女を疑わしく思うようになりました。大したことのない言葉でさえも深刻に受け取るようになり、とても悲しい気持ちになったのでした。
ある日、彼は僕に打ち明けました。
「彼女の言うことを聞くべきじゃなかったんだ。花の言うことなんて聞く必要ないんだ。眺めて匂いをかぐだけでよかったんだ。花は僕の惑星を香りで満たしてくれたけど、僕はそれを喜べなかった。トラのツメの話だって、本当に僕をイライラさせたけど、きっと優しい気持ちになれたはずだったのに...」
彼は僕にさらに打ち明けました。
「僕は全然理解することができなかったんだ!言葉なんかじゃなくて、行いで判断すべきだったのに。彼女は僕を香りで満たしてくれて、晴れやかにしてくれた。僕は決して逃げ出すべきじゃなかったんだ!彼女の哀れなずる賢さの背後にあった優しさを見抜くべきだったんだよ。花はとても矛盾しているんだから!でも、僕は彼女を愛することを知るにはあまりにも若すぎたんだ」

アイネクライネ
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