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『青の炎』　貴志祐介

こんなに読んでてつらいミステリーある？

今回はある程度内容に触れずには語れないので【ネタバレ注意】ですよろしくお願いします🙇

ジャンルとしてはミステリー小説なんですけど
犯人の主人公視点で話が進み
殺意を抱く過程から反抗を終えた後までの心理を追っていく作品なので
推理モノではなく文学って感じ

良い意味で読んでてつらくなる作品だった
ホントに途中から読み進めるのしんどかったぐらい…😢

主人公のことを序盤凄く応援してましたね

序盤のシーンでヒロインらしいヒロインとか『無敵』の大門！みたいな
漫画っぽい同級生が何人も出てきて
主人公のつらい現状を友情パワーで何とかしてくれそうなワクワク感がある

ミステリー作者に若干ありがちな高校生としてはあり得なさそうな頭の良い雑談
いくら進学校の設定だからってこんな会話をするのは伊沢拓司ぐらいだろwww
ってシーンなんか好きでしたね

でも中盤になるともうずっと祈ってて

途中、山月記やこころを引用ってか章題に使うぐらい組み込んでるのが解像度を高めまくるし高校生感が加速しまくって最高ですね

終盤になると「良く考えると序盤からそこそこヤバい奴だったな」とも思う

かなり「自分は正しい」とか「こうするしかない」「仕方ない」という考え方に陥っている

精神的に追い詰められていて、優秀な能力を持つものの精神的にはまだ未熟さの残る高校生だから…とも言えるんだけど

ifを想うシーンでもほとんどが自分が心変わりする妄想じゃなくて状況が変わる妄想なんですよね
相談していたらとか良心に従っていたら、が少ない
他人の影響で心変わりしたの最後だけじゃないか…？

そして序盤から最終盤まで繰り返し描かれる
主人公がロードレーサーで湘南を走るシーンが
心境と共に見えるものが全く違う様を表し続けていてもう……😭

二宮和也さんと松浦亜弥さんで映画化されているの凄いなぁ〜！ピッタリじゃない！？
そちらもチェックしたいと思います

これまた名作だった…。
オススメして下さった方、本当にありがとうございました🙇