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脱落身心

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「門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」

上記は、臨済宗の禅僧・一休宗純の作と言われている和歌。
歌の大意は、

「門松を飾る(正月を迎える)ということは、一つ歳をとるということで、それはあの世へ一歩近づく目安であり通過点。だから、正月というのは、めでたいものだけど、めでたくないものでもある」

といったものだろう。
「メメント・モリ(memento mori) =死を忘れるな(覚えておけ)」。

なお、一休宗純(一休和尚)は、とんちで有名なあの一休さん。
ある年の正月、一休さんは竹杖に髑髏をさしながら「ご用心、ご用心」と言いながら都大路を練り歩いたという逸話も伝えられている。
上記の和歌とリンクするエピソード。
いやな坊さん?(笑)


そういえば、『和漢朗詠集』には藤原義孝作の

「朝有紅顔誇世路、暮為白骨朽郊原(朝に紅顔あって世路に誇れども、暮に白骨となつて郊原に朽ちぬ)」

という漢詩がある。
若いイケメンも、あっという間に白骨になってしまう……という意。


また、『古今集』には在原業平の歌として、

「つひに行く道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを」

も収められている。
あの世へ行くとは以前から聞いていて頭ではわかっていたが、まさかそれが昨日今日だったとは……という意。
死の不意打ちを食らってしまった驚きが詠まれている。


だから、兼好法師は『徒然草』で、

 「死期は序を待たず。死は、前よりしも来らず。かねて後に迫れり。人皆死ある事を知りて、待つことしかも急ならざるに、覚えずして来る。沖の干潟遥かなれども、磯より潮の満つるが如し」

と書いたのだろう。


つまり、以上は禅語のいうところの「生死事大 無常迅速」。
「無常は迅速」なのだ。
ゆえに「メメント・モリ(memento mori)」。
ゆめゆめ忘るることなかれ。
ご用心、ご用心。


#一休
#メメント・モリ
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