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柚𐂂

柚𐂂

続き4

親は昔から厳しかったから何度も殴られたり蹴られたりしてきた。私も少しあまのじゃくだったからいつまでも同じことで怒られていた
だから殴られることなんて慣れっこで対処の仕方もわかっていたのに、やはり毎度内臓が一瞬でミイラになってしまうかのような恐怖におそわれた。怒りにゆがんだ父の顔といつまでも止まらない手がこわかった
母は殴ってはこないけど、全て父に告げ口してしまう上に、勝手に事実を捻じ曲げてさらに悪く言うものだから、やはり味方ではなかった
「ねぇね、がんばれ」と、弟だけが心底心配して応援してくれていた
そんな厳しい叱責を受けながら、でも着実に学力は復活していった。暴力も方向を間違えなければ間違った選択ではないのかもしれないと思った

その頃依存していた読書は当然のことながら禁止された。たまに休日に1時間ほど許されるだけで、学校に持っていくことも禁じられた
だが依存症患者の執念はそんなことでは止められない。セーラー服のスカートに挟んで上着で隠して毎日3冊持って行った。スカートとお腹の間に2冊、その上に1冊。バレそうでバレないギリギリのラインだった。靴を履くときが最難関で、落ちてしまわないように、お腹を膨らませて本を固定した
家で読めない分、学校で読んでおく必要があった。授業中にバレずに読む方法もいろいろ考えた。家での特訓のおかげで授業を聞いていなくても内容についていけていたので、見つかりさえしなければ良いのだ。3冊しかないから午前中で全部読み終わってしまう。午後からはそれを読み直した。
一日に2度読むと、1度目には見落としていたことをたくさん見つけた。いい読書体験だったと思う
そんなこんなで、ひやひやしながら忙しい毎日を過ごしていたので、いじめのことはあまり気にならなくなっていた
相変わらず続いていたけれど、反応するのも煩わしくなり、何もしなくなった。今までは怒ったり、相手に全く同じことをしたり、仕返しをしていたが、ただ受け流すようになった
そのうち気がつけばいじめらしいいじめは少なくなっていった。反応がなければいじめ甲斐がないのだろう。ほかの子にターゲットがうつって、緊張感のある平和が保たれていた
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コメント

つぐみ

つぐみ

0 GRAVITY

柚ちゃん私もちゃんと読んでるよ。

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柚𐂂
柚𐂂
こんなに長いのに読んでくださってるの嬉しいです[大泣き]
1 GRAVITY
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