人格としての集団は、はっきり言って、フィクションである。普通に考えれば、複数の人間が集まっても、それが合体して一つになることはあり得ない。それなのに私たちは、普段から、何らかの集団を或る行為の主体として扱う傾向にある。あの団体がどうしたとか、あの会社がどうしたとか、あの国がどうしたとか…。私たちはどういうわけか、そのように想像する性質を持っているのである。ホッブズははっきりとは言わないが、この性質こそ、人間が自然状態を脱し、社会を形成するための重要な要素である。