投稿
もる


関連する投稿をみつける

たい焼き
群馬県 大泉町の朝


ブルー



シンタロー🔰
回答数 29>>
ケルヒャーしてた


こ〜ちゃん🌱
母が退院してきたのは、昨年12月24日。
年の瀬の冷たい空気の中、家の中だけが静かに時間を刻んでいた。
退院前、準備として一番大きな仕事は洗濯機の移動だった。
家屋調査でリハビリの方が言った。
「外にある洗濯機まで洗濯物を持って出入りするのは、とても危険です。
正直に言って……それは無理ですね」
その一言で覚悟が決まった。
給水、排水、電気工事、アースの設置。
三日間、私は家と向き合い、黙々と手を動かした。
だが、それはほんの入口にすぎなかった。
母が家に戻ってきて、現実ははっきりと姿を現した。
ふらふらと、頼りなく歩く母。
家具の縁、テーブル、椅子の肘掛け。
やがて障子に手を突っ込み、桟に必死に指をかけて歩く姿を見たとき、胸が締めつけられた。
——これは、間に合わない。
業者を頼めば時間がかかる。
市販の手すりは高価で、古い家の壁には合わないものも多い。
すべて取り付けようとすれば、費用も工期も現実的ではなかった。
だから私は、市販品を使わなかった。
選んだのは、ワンバイフォーやツーバイフォー。
安価で、加工しやすく、何より自由がきく木材だった。
12月下旬。
工事は年末から年明けへと続いていった。
世の中が年越しの準備に追われ、
正月を迎える空気に包まれる中、
私には年末も正月もなかった。
ただ、手すりをつける。
納得いくまで、つける。
木材を切り、細く削り、
ジグソーでゆるやかなカーブを描く。
サンダーで何度も磨き、角を落とす。
市販品の寸法ではなく、
母の手に合わせた大きさへ。
自然と指が回り、
無意識に握れる形になるまで、何度も手を入れた。
その作業を支えてくれたのは、
19年前に亡くなった父が残した電動工具だった。
ドリルドライバー。
ジグソー。
サンダー。
父が使っていたその工具を、今は私が握っている。
まるで父と一緒に作業しているような、不思議な感覚があった。
福祉用具の担当者は言っていた。
「この壁は弱いですね」
「この場所は突っ張り棒タイプも難しいかもしれません」
けれど私は調べ、考え、工夫した。
ツーバイフォーで支柱を立て、
柱そのものを作ってしまう。
そこに手すりを取り付ける。
壁が弱くても、
本来つけられない場所でも、
手すりはそこに“生まれた”。
安価な材料だからこそ、
遠慮なく、必要なだけ、たくさん設置できた。
既製品の十分の一、
場所によっては二十分の一の材料費。
その分、
安心は家じゅうに広がっていった。
玄関に。
寝室に。
浴室のまわりに。
母は最初、言った。
「手すりなんか、まだいらんよ」
けれど、ある日。
ふらりと体が傾いた瞬間。
母は、私が作った手すりを、ぎゅっと握った。
その手すりは、
ただの木ではなかった。
私の手であり、
父の手だった。
倒れそうな母に、
父と私が同時に差し伸べた、もう一つの手。
数日後、私はこの家を離れる。
950キロ先の自宅へ戻る。
次に来られるのは、2月下旬。
それまで母は、この家で一人暮らす。
けれど、もう一人じゃない。
年をまたいで作り続けた手すりが、
今日も静かに、母を支えている。
——大丈夫だ。
父の工具と、
私の手が残したこの家の中で、
母は今日も、生きている。









もっとみる 
話題の投稿をみつける

布田

映咲燈
お声が合いすぎている
歌がうますぎる
おおおぉ……
いいんですかこれ無料で

レギオ

カルー
#プリン山集合で

メメン
「そうりょう無料」も凝縮されててうまかったね
鳴潮だけに

セイル

朝から
足を踏ん張ってないと滑るしでとても疲れる

ぱんこ

タニ
歩く姿はユリゲラー

🦒𝑺
もっとみる 
関連検索ワード
