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Su
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まっちゃん
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体の相性も含めて付き合うかどうか判断します
アクア−Devil
ある冬の午後、雪がしんしんと降り続いていました。街は白いベールに包まれ、みんな足早に通りを歩いていきます。
小さなカフェ「ほんのり」のドアが、チリンチリンと鳴りました。入ってきたのは、赤いマフラーを巻いた女性、ゆきこさん。彼女は雪を払いながら、カウンターの端に座りました。
そのすぐ隣には、もう一人。灰色のコートを着た男性、はるおさん。彼は本を読んでいて、ゆきこさんが座ったことにも気づかないほど夢中でした。
カフェの店主のおばあさんが、にこにこしながら二人に話しかけました。
「今日は特別な日ね。雪の日限定のコーヒーを淹れてあげるわ。一杯だけ、特別な豆があるのよ」
おばあさんは、古い小さな缶から豆を取り出し、丁寧に挽きました。香りがふわりと店内に広がります。すると、不思議なことに、豆は二人の分しか残っていませんでした。
「まあ、ちょうど二人分ね。今日はお二人でシェアしましょう」
おばあさんは、大きな白いカップにコーヒーを注ぎ、二人の前にそっと置きました。一つのカップに、二つの小さなスプーン。
ゆきこさんは少し驚いて、隣のはるおさんを見ました。はるおさんも本から顔を上げ、照れくさそうに微笑みました。
「どうぞ、お先に」とはるおさんが言いました。
「いえ、一緒に」とゆきこさんが答えました。
二人はスプーンを手に取り、ゆっくりとコーヒーをすくいました。温かく、ほんのり甘い香り。雪のような優しい味がしました。
「雪の日って、なんだか寂しいと思っていました」とゆきこさんがぽつり。
「僕もです。でも、このコーヒー、温かいですね」とはるおさん。
外の雪はますます強くなりましたが、カフェの中は静かで穏やか。二人は少しずつ言葉を交わし始めました。好きな本のこと、子どもの頃の雪遊びのこと、今日ここに来た理由のこと。
コーヒーが半分になった頃、ゆきこさんが言いました。
「不思議ですね。一つのカップなのに、なんだか自分の分みたいに感じます」
はるおさんが頷きました。
「雪の日だから、特別なんですね」
最後のひと口を二人で飲み干すと、カップの底に小さな雪の結晶のような模様が浮かんでいました。
おばあさんが微笑んで言いました。
「このコーヒー、飲んだ人同士を少しだけつないでくれるのよ。ほんの少しだけね」
二人は顔を見合わせて、くすっと笑いました。
雪はまだ降り続いていましたが、二人はもう少しだけカフェにいることにしました。外に出る頃には、雪は小降りになっていました。
「また雪の日があったら」とゆきこさん。
「ここで」とはるおさん。
二人は別々の道を歩き始めましたが、心の中には小さな温かさが残っていました。
雪の日の、ほんの小さな、でもきっと大切な出会い。
おしまい。


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