5️⃣｜ブチコ🐎の投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

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投稿

ブチコ🐎

2025/12/07

5️⃣

私はあなた達家族の誰よりもヤツを知ってると思う…そんな自負があった。
写真だって…私に聞いてくれればもっといい写真を探せたかもしれない。
ヤツは誰よりもプライドが高くて人を小馬鹿にして笑ったりするタイプだったから友達も限られてて、そんなプライドの高さでキャラ作りがされてたから友達に弱音を吐けるタイプじゃない。
私にしかいつも言えなかった。
でも私がいなくなった後は…ちょっとしてすぐ病床に伏した。
日本史が死ぬほど好きで、情にあつすぎて、常に「仁義だ」と言っていた。
何かの戦争映画で竹槍が届いてこれは私たちが頼んだ何とかじゃない！みたいなセリフを真似しまくっていたけど、興味なさ過ぎて何回言われても映画のタイトルが覚えられなかった。
敵も多くて…仕事がうまくいきそうになるとよく足元をすくわれてた。
昇進話が何回も何回も何回も消えた。
その度悔しいと泣いていた。
ハメてきた相手と立場関係なく一歩間違えたら心中（退職）しようとする奴だった。
カラオケ（声）が上手くて槇原敬之のモノマネがすごい似てて、堂本剛のモノマネが似てるけどやり過ぎでキモくて…EXILEを歌わせようとすると嫌がる奴だった。ヤツの歌うミスチルのシーソーゲームが好きだった。
競馬…武豊が死ぬほど好きで唯一会えるとしたら誰に会うかと問われると武豊だと答える。
なのに、私に会うまで競馬場には一回も行ったことがなかった。
ネットから拾って私が出す競馬の過去問に全部正解できるくらいの競馬の歴史好きだった。
武豊のレースの実況中継の動画を100回くらい見て私に熱を伝えていた。
ならばと競馬場にヤツを連れて行ったのは私だ。
そのご縁やら色々もあってワシの名前はブチコになった。

ヤツの死は友達にも知らされていない。
ひどいじゃねーか？
数少ない友達たちにも知らされないのか。
少しの奇跡を願ってヤツの仲間が商品を卸している道の駅に寄ることにした。
何故なら前にその友達にそこで会ったことがあるのと、我が子が雰囲気に耐えられず荒ぶり始めたからだ。
隣に公園もあると思い車を走らせる。
道中に見た見覚えのある好きだったパン屋がドーナツ屋さんに変わってた。
こんな田舎でドーナツ屋なんて流行るのか？
そんな事を思いながら道の駅に向かった。