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manacuba

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一編の小説によって救われる時がある。真夜中の勉強机の上で。あるいは朝の朝食台の上で。

私は時々思う。なぜこんなことが起こるのだろう。なぜこんなものが私にもたらされるのだろう。でも私がその時考えていたのは小説のことではなかった。美しい女のこと。私を心を揺り動かし燃やし尽くすような。そんな女が存在するなんて少年の頃には思いつかなかった。あの日私の心に何かが入ってきた。訪れるべき灼熱の恋のかけらが。それはいつか爆発する。熱によって苦しみは溶けていく。明日の学校の予定もどうでも良くなる。でもそれば長く続かない。永遠の女の手に入れるまで。恋の灼熱の不在が満たされるまでは。

時に私は海辺の貝殻の一つ一つに女たちの思い出を見出す自由がある。日々私は確認する。失われていないものについて。すぐに書かなければ灼熱は冷めてくだらないものになってしまう。燃えるメモ帳。そうだ、情熱を取り戻せ。永遠に少年の日に帰れ。
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