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太郎

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俳句の愉しみ 二

荒海や佐渡に横たふ天の川

芭蕉

この句は「荒海や」で句切れする。この句切れのことを「切れ字(kireji)」と日本俳句では言います。すなわち「荒海や」でワン・シーンを表しワン・ブレスを置く。さて、佐渡という島は日本古来よりの流刑地なんです。順徳院をはじめ古来大罪人や朝敵が遠流された島です。ここを踏まえた上でこの「荒海」の断腸の思いを激しい音と青暗い波とに表している。つぎに芭蕉はそれら歴史的な回顧の思いを籠めてその「佐渡に横たふ天の川」と詠む。これはそれらの人々への鎮魂を示している。「荒海」の「激動」とそれを「鎮魂」する「横たふ天の川」の「静謐」が印象的だ。「荒海」と「天の川」の色の対比も美しい。なお、「横たふ」は現代日本語の「横たう」。他動詞である「横たえる」を自動詞として用いた文法的誤用だと言われている。山本健吉は「学者よりも詩人が、母国語の法則を直感的に把握している一例」だと言う。また彼は「この句はほとんどの強音をa音とo音とで組み立てられ、雄渾な調べを持っている」とも述べている。
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この句は「荒海や」で句切れする。この句切れのことを「切れ字(kireji)」と日本俳句では言います。すなわち「荒海や」でワン・シーンを表しワン・ブレスを置く。さて、佐渡という島は日本古来よりの流刑地なんです。順徳院をはじめ古来大罪人や朝敵が遠流された島です。ここを踏まえた上でこの「荒海」の断腸の思いを激しい音と青暗い波とに表している。つぎに芭蕉はそれら歴史的な回顧の思いを籠めてその「佐渡に横たふ天の川」と詠む。これはそれらの人々への鎮魂を示している。「荒海」の「激動」とそれを「鎮魂」する「横たふ天の川」の「静謐」が印象的だ。「荒海」と「天の川」の色の対比も美しい。なお、「横たふ」は現代日本語の「横たう」。他動詞である「横たえる」を自動詞として用いた文法的誤用だと言われている。山本健吉は「学者よりも詩人が、母国語の法則を直感的に把握している一例」だと言う。また彼は「この句はほとんどの強音をa音とo音とで組み立てられ、雄渾な調べを持っている」とも述べている。