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まるで第2の人生が補償されているかのように

彼はまっすぐな目で、そう話した。
「刑務所に行ったほうが、楽かもしれない」と。
冗談のように聞こえたその言葉の奥には、
どこか安心したような響きがあった。

精神科病院という場所は、たしかに「治すための場所」なのだろう。
けれど、そこでは自分の意思も、怒りも、涙も、
ときに“症状”として処理されてしまう。
「あなたは病気です」と言われた瞬間、
その人のすべてが病の中に閉じ込められる。
善悪ではなく、正誤でもなく、ただ「診断名」という名札の中に。

それに比べて、刑務所は明快だ。
罪があり、罰があり、期間がある。
そこには社会的な「線引き」があり、
そして何より、終わりがある。
出たあとに「社会復帰」という言葉がある。
だから彼は言ったのだ。
「刑務所のほうが、まだ人として扱われる」と。

彼の言葉を聞きながら、私は考えた。
人はなぜ、「やり直せる場所」を求めるのだろう。
それは必ずしも、自由な場所ではない。
むしろ、制限や罰の中にこそ
“もう一度生きるチャンス”を見出そうとするのかもしれない。

「まるで第2の人生が補償されているかのように」
その響きには、痛みと希望が同居していた。
彼にとっての刑務所は、絶望ではなく、
社会の中でやり直すための唯一の保証書だったのだろう。

私たちはきっと、どこかでみんな同じものを探している。
罰でも治療でもなく、
「もう一度、生きていい」と言ってくれる場所を。
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