１．注意バイアス｜ヒロ🦻【えんの木】の投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

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ヒロ🦻【えんの木】

2025/09/23

１．注意バイアス

・脅威刺激への反応は外的・内的刺激それぞれが独立して研究されてきた（富田・南出・熊野， 2020）。

社交不安症の場合

①は「人の表情」や「ヒソヒソ声」などの生体外にある刺激への反応や入力処理。

②は，生体内にある身体感覚（発汗や心拍）をはじめ，思考や感情などの刺激への反応やモニタリング処理を指す。

生体内外の刺激に対する反応速度を検討し，症状の理解にアプローチするアセスメント型の研究知見が蓄積されてきた（Harvey et al., 2004）

２．マインドフルネスと注意機能プロセス

・マインドフルネスはアセスメントとしてだけではなく，介入の手段として用いることができる。その背景にマインドフルネスをメタ認知と注意制御の関連性から説明する試み。

・マインドフルネスの状態を持続させるためには，思考・感情・感覚といった内的刺激に対する「注意の向け方」の適切さが必要であり，適切なメタ認知的活動を働かせるためには，「注意の能動性」と「注意の方向性」が大きく関与している（今井・富田・熊野， 2017）。

注意の方向性

・マインドフルネスでは，特定の対象に意識を向けるという注意機能が必要になる。

３．マインドフルネスに共通している認知プロセス

・マインドフルネスは多義的で，心理学分野でも様々な定義がある。しかし、共通点は「自らの思考・感情・感覚をメタ認知的視点で観察し続けることであり、適切なメタ認知的モニタリングとメタ認知的コントロール」である。

・精神的な苦痛や不安がともなうような思考は，対象モードの状態で思考や感情を経験していることに気づけなかったり，一旦気づけたとしても，対象モードによって思考や感情を再び経験する状態に引き戻されてしまうこともある。→　注意制御の問題が指摘されている（今井， 2012）。

・日常生活では通常、対象レベルで考えたり感じたりしていて，思考・感情・感覚が不快なだったり，自分に関する情報を処理する時には，それらを対象モードで持続的に処理する状態に陥りやすい。

４．自己注目（坂本， 1997）

・「自分自身に注目している状態や，自らに注意を向けやすい性格特性のこと」であり抑うつ症状の脆弱的要因とされている（Ingram, 1990）。

・自分自身に注目している状態は，メタ認知的な気づきや，その状態を変化させようとする「メタ認知的活動」が働かない限り，「メタ的視点」に意識を移すことは難しくなる。

・「自分自身に注目する心配のような思考プロセスはよくない」という，思考との新たな付き合い方をメタ認知的知識として理解したとしても，その心配の内容が自分自身に関する不快なものである場合は自動的に思考に注意を向け続けやすくなり，心配以外に向ける「メタ認知的コントロール」は働きにくくなる。

・注意の対象となる刺激が内・外を問わず，自己に関連する刺激は受動的・自動的な注意制御が働きやすく，対象レベルで処理されやすい。

・特に内的な自己関連刺激である思考・感情・感覚に注意が向けられている状態は，気づきが弱くなる。

例）スピーチのときに社交不安症の人はスピーチがうまくできなかった時のことを考え続けたり，恥ずかしい気持ちや身体感覚を含む不安に注意を向け続けるため，そのときの状況を思い浮かべることに没頭してしまい、自己注目に気づけない状態に陥りやすい。また，メタ認知によって，これらの状態に一時的に気づいたとしても，知らず知らずのうちに，また自己注目に陥ってしまうこともある。

５．マインドフルネスをうまく活用するために必要なこと

・能動的で柔軟な注意制御能力を前提として（杉浦， 2007；今井ら， 2017）、受動的・自動的な注意制御から能動的な注意制御によってメタ認知的視点を維持すること

・自分自身の呼吸や日常生活音のような受動的制御が働きにくいものに注意を意図的に向け続ける練習をする。これにより常にモニタリングと制御を行うようにする。

・メタ認知的モニタリングを適切に機能させるための能動的注意制御が必要。

【参考文献】

今井（2021）メタ認知療法からみたマインドフルネス,心理学評論　Vol. 64, No. 4

【ベストコメント】

愛しさと、切なさと、糸井重里～！