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薄曇り(劇薬の使命)

薄曇り(劇薬の使命)

何かがわかるとは、その何かに見合うように自分が変わるということだ。
あなたが何かをわかろうとして自分の変化を受け入れるとき、その何かもあなたに向けてその「魂」を開くことだろう。
もし事物がその「魂」を開かないのであれば、あなたはまだそれを「わかる」準備が整ってはいないのだろう。
「わからないこと」はいつもよそよそしい外観をしている。しばらくは距離をとって、眺めているしかない。それが「分をわきまえる」ということである。
わからないものを、無理にわかろうとしてはならない。評価しようとしてはならない。ましてや裁こうとしてはならない。
それは、あなた自身を変化から疎外する態度だ。事物は、ただの死んだ事物になり、あなたにその「魂」を開くことはなくなるだろう。あなた自身も永遠に「ただの自分」のままだ。
アニミズムとは、凡ゆる事物が「魂」をもつという世界観だ。
何かが「わかる」ということは、自分が変化することで事物に開かれることだった。
つまり、アニミズムとは、自分と事物が交叉する時空のリアリティを実感するという態度なのである。それは迷妄ではなく、むしろ明澄さの証である。
西洋・近代において、何かが「わかる」とは、その対象を見るための適切は視点を獲得することを指す。
だが、東洋・非近代において、何かが「わかる」とは、その対象と交わるための「魂」を獲得するということを云うのである。
視点には盲点があるが、魂には死角はない。
魂とはモナドである。
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