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ヒロ🦻【えんの木】

ヒロ🦻【えんの木】

1.WHOの「健康」の定義

WHOの健康の定義として

・身体的健康

・精神的健康

・社会的健康

・スピリチュアリティ面での健康

と言う議論が行われていたが宗教性に絡むため意見が一致していないまま現在に至る。

 

・定義:スピリチュアリティ=「自然界に物質的に存在するのではなく、人間の心にわきおこって来た観念の‐とりわけ気高い観念の‐領域に属するもの」

この背景には、健康を単に身体や狭義の精神面ではなく、広義の状態が治療に与える影響を重視する考え方の発展や、死を穏やかに受け入れることの重視などの変化があると言われている。


2.どう捉える?「スピリチュアル」

【レベル1:直観的なスピリチュアル】

患者の人生の問題に耳を傾け、悩みに付き合い死の不安や恐怖を受け止めて希望を見出す仕事。…初歩的説明としては必要で有効

【レベル2:多くの論者に共通しているスピリチュアル】

死に至る病を患ったときの当然な苦しみ、健康な時には直面しない深い問題。

多くの人が生きる意味や自分の運命や死後の世界について考える、経験に基づくアプローチであり直観的に多くの人が納得する

その共通項として

①    トータル性:精神的、社会的、身体的+崇高な非物質的次元領域を含むホリスティックで統合的視点

②    自己・他者・超越者・自然との相互作用を伴うつながりであり、全体の中の一部としての自己存在

③    目に見えやすい客観的なものよりも、目に見えにくい「質」の次元

④    自分の存在意義や生きる意味探し

⑤    輪廻転生や自分を超えた存在に依存したい普遍的欲求、罪悪感を超越者が許すというような、宗教的世界観

 

3.まとまらない「スピリチュアル」

課題①:人が死にそうなときに持つ痛みをなぜ「スピリチュアル」のような「霊魂」「魂」のような表現にまとめられるのか?

課題②:どの程度宗教と関連付ける(切り離す)のか。

宗教性がなくてもスピリチュアルは説明できる(宗教には良いものも悪いものもあるし、信仰がない人にもスピリチュアルケアは必要である)

課題③:スピリチュアリティは必ずしも"死の近く“にない。

終末期医療に限定して論じられることが多いが、生きている人のエンパワメントや人生の変革期にも共通項に見られるような体験をすることがある

課題④:なぜ、今スピリチュアルケアなのか

経済や物質に注目し人間の深部に踏み込まない支援や、日本では神秘主義や信仰と同一化して議論が活発化しなかった

課題⑤:ケアするのは誰なのか?

力を奪われた者が力を回復するプロセスと言うのがスピリチュアルケアの第1の意味だが、主体と客体・治療する/されるという二分法を乗り越える視点もある。つまりケアする側もされる側もケアの主体であり関係性こそが主体となる。

課題⑥:訳語

スピリチュアルの訳語は、精神・霊的・魂・宗教・心性・実存…etc.と多様で適切な日本語訳が見つからず、多くの論者がカタカナ表記を用いている状況。

 

4.今後の「スピリチュアル」に求められること

①    スピリチュアルケアの議論を進め広めること

②    抽象議論から実践例を積み重ねて分析し、ブラッシュアップし具体的な技法やスキルに落とし込むこと

③    人材育成・制度・機関の確立・啓発体制・財源確保・行政の協力

④    隣接諸領域から学び交流すること…トランスパーソナル,グリーフカウンセリング,ホスピス,ホリスティック教育や医療,東洋医学,ボランティア実践機関…etc.

 

【参考】

伊田(2004)スピリチュアルケアをめぐる議論を見渡す,大阪経大論集・第54巻第5号

【ベストコメント】


陰陽・中庸という言葉が東洋にはありますね。多分そこが冷静

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