感動するとか、学ぶものがあるとか、メッセージ性があるとか、オチがうまいとか、膝を打つとか、そういうのじゃなくて、しみじみと、そうか、この物語が帰着するべきところに辿り着いたんだな、と本を閉じられる小説はいい小説だと思うし、アラン・マバンクの『割れたグラス』はそういう小説だと思う。