投稿

はち🎱
---
🔭はしごのない観測塔🌌
ノクティルカの北の端、霧の出やすい草原に、ひとつの塔が建っている。
古くて、どこかねじれたような形をしていて、塔の入り口にも、階段にも、はしごにも、
何ひとつ“上へ登る道”が見つからない。
でもその塔には、ある夜だけ、誰かが灯りをともしにやってくる。
その夜は、「星を見たいと願った夜」。
ほんとうに強く、心の底から「何かを見上げたい」と思った人だけが、
なぜか気づくと、塔の最上階にいる。
誰にも気づかれず、いつの間にか内部に導かれている。
その塔に上がるためには、脚も、階段も、努力もいらない。
ただ、心のなかに「見上げたい空」があることだけが条件。
最上階には、大きな丸いドームと、
黒くつややかな望遠鏡がひとつ置かれている。
その望遠鏡は、ただの天体観測のためのものじゃない。
のぞくと、「その人が、ほんとうは見たかったもの」が見える。
ある人は、
昔、一緒に星を見た人の姿を。
ある人は、
まだ会ったことのない、大切になるはずの誰かの背中を。
ある人は、
夜空をただ、無言で見つめる自分自身を。
そして、塔を降りようとするとき——
扉はまた、消えてしまう。
戻る道もない。
だけど、その人はもう、とても静かな顔をして草原に立っている。
「もう、探さなくていい」
そんなふうに、星がぽつりと語りかけているように思える。
この塔は、“登るための方法”がないことで、
逆に、「見つけるための場所」になっている。
登れない塔なのに、なぜか辿り着ける——
それは、きっと“心が上がっていったから”。
だから今夜もきっと、誰かが気づけばそこにいる。
星を見たいと思ったとき、
あなたもまた、その塔のてっぺんに立っているのかもしれない。
---
今夜の月齢は2.1の三日月🌙

話題の投稿をみつける

ちの❧

すい

ムナビ

あかり
来年はTERUさんをゲストに〜

みやま

バイオ

雑にい

なつめ

えくっ

さい☁
もっとみる 
関連検索ワード
