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太郎さん

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消された火の情熱で燃えあがれ、詩よ
             詩の革命のために
 
革命という死語。情熱という死語。このふたつの死語の通路はまわりから、またここから人びとの歓声と熱気がともに棲むつねに太陽の屋根に通じている。森につつみこまれるしずかな巨きな公園が目印だが、今日ではとおく朽ちてしまった、空のなかに消え入りそうな積み石の残像が残っているにすぎないので、そこは何処にでもあるともいえる。おそらく何処にもないのだろう。
 
小鳥と栗鼠のかけめぐる森。岩を走って水の流れる音。ふるくたくましい樹樹のまわりにはいくらか人がそこに腰掛けて心地よいほどの雑草がその樹樹と同じたくましさで生きている。やわらかい草の下のあたたかな。全部嘘だ。つまり死語である大地よ。死語の凍土のきしみ砕ける音さえない時代。人びとの声が奇妙にゆがんで聞こえてくるどこまでも暗闇の通路。
 
時の鋼で打ちつけられた杭を指標にどこにもゆくことができない通路。この通路を破壊するためにやって来たという道化の服を着せられた英雄だと名乗る死刑囚の言葉。その何も語らずに黙っているその声にふれる。黙ったまま。とおく離されて相手が見えないところの椅子に坐って語り合った、まるで何も話さなかったかのように。そのひと言ひと言がなつかしい火薬の匂いのする言葉で。
 
おまえの言葉を書きうつす。この時代の冷たい紙面が一滴の墨滴がひろがる広がりかたで燃えている。消された火の情熱で燃えている。
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