非日常的体験がその場でもたらす変化の自覚は、おそらく一種の熱病みたいなもので、それが悪いわけではないけれど、それを美化しがちなきらいがどうも僕には胡散臭い。もし読書や旅行が僕らを変化させるなら、その瞬間は長い時間を掛けてある日突然、雪の下で眠る草花のように、芽吹くのかもしれない。