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マサヤス 龍之介
#神保町
☆『我が青春の神保町 .9』
ニットーレコード東京スタジオ、ここでは作曲家服部良一の意欲作が次々と録音され世に送り出されたが、その時代の印象的な作品としては服部がガーシュインに憧れて交響組曲的長尺盤を書き自らスコアを書いて録音された『意想曲1936年』と云う意欲作がこの吹込所で1935年昭和10年に録音されて、時移り今はここから程近い昭和館と云う国立の博物館にこの音盤が保存展示されていると云うのが、非常に感慨深い。学芸員もそんな歴史的事実を知った上でこのレコードを展示しているのだ、と思うと涙が滲んでくる。ただ、この作品自体はガーシュイン風でもなく、ましてやシンフォニック・ジャズでもないのが少し寂しかった。九段下ビルは解体決定後、この貴重な建物の解体を反対する声がSNSを中心に沸き起こり保存運動にまで発展したが、敢えなく2012年2月に消滅した。このビルに最後まで居住していたのは画家の大西信之。解体工事が始まる直前の2011年12月末まで居住していた。展示会も開催されたがそれは「このビルのことをもっと多くの人に知ってほしい」との思いから大西が企画したものである。尚、跡地には専大10号館が建っている。
関東大震災と東日本大地震と云う2つの災禍に挟まれて旧九段下ビルは古えから現代まで多くの人々を魅了し続けた。
専大前交差点に戻る途中のビルに嘗て、アディロンダックと云うJAZZ系中古レコード店があったと云うお話は当コラム♯ 8で書いた。その時に購入したレコードを紹介したが、字数の都合で漏れたレコードとしては、リーワイリーの名盤 Night in Manhattan のSPアルバムのセットを初めて観たのもここだったと思う。1950年のリリースだからSP盤なのは当たり前と云えばそれまでだが、こちとら、LP盤しか知らなかったので、ジャケもまるで違うデザインで新鮮に思えたものだ。その時に買っておけば…と今でも後悔している。リーワイリーはガーシュインやハロルドアーレン、或いはロヂャース&ハートのソングブックシリーズのオリジナル盤をここで購入したものだった。これらは1942年から43年に掛けて集中的にレコーディングされて、世界で初の作家別ソングブックアルバムとして名高い名盤群であった。
つづく。









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