友達求｜メンタルヤクザの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

「『ハマスホイとデンマーク絵画』展カタログ」

　何年も前の話だが、ムンクの展覧会に行った時に、館内でこの表紙を飾るハマスホイの絵が印刷された告知ポスターを見かけた。その瞬間、私は足を止めて見入ってしまった。絵の独特な曖昧さを孕んだ筆致がするりと身体に入り込んで一体化していくような、まるで最初から自分の身体の一部であったかのような感覚に陥った。開催時には必ず行こうと決意した。
　しかしながら、この絵画展に行くことは叶わなかった。コロナ禍に突入し、会期を終えることなく終了してしまったのだ。大変残念な気持ちを抱えつつも、当時カタログを取り寄せた。数々の学芸員の解説と、多くの人の目に触れるはずだった絵画が紹介されている素晴らしい内容だった。その熱量は、世界史を含め絵画の歴史に疎い私にも届いた。

　時が経ち、今年の春頃、別の美術館でハマスホイの特別展示が行われたが、奇しくも私は病に見舞われ、またしても行くことが出来なかった。
　次はいつハマスホイの原画を目にする機会が訪れるのだろうか。期待して待つ。

※所謂画集とは異なり、歴史的な考察や解説の分量が多いため、読書の星に投稿させていただきます。