人工植物の進化がもたらす驚きと考察

驚きに身体が固まった。

その音は、玄関の扉から聞こえていた。
あまりの、驚きに絶句している私を尻目に、その音は続いている。

こんこん、こんこん、

また乾き始めた喉、ごくり、と、唾を飲み込み私は口を開いていた。

私「だ、だ、れ？」

ぴたり、と、音が止まった。
止まったことに拍子抜けな終わりだ、とホッとした次の瞬間。

とんとん

先ほどよりも、強い、明確に扉を叩く音が聞こえた。
やばい。そう思った。前の家と同じようなモノがいる。
そう、思った。

［あーけーて］

子どもの、声だ。
ぞわり、と、産毛が立つ。
思わず口を押さえて後ずさる。本当に漫画や映画のように口を押さえてしまうものなんだ、なんて、頭のどっかで現実逃避。

とんとん、とんとん、とんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんドンドン！！

最後は殴り付けるような、体当たりするような音だった。たまらず、私は叫んでいた。

私「かえって！！」

しん、と、静寂が続く。
空気が軽くなっていく、何も起こって無かったように、ただの暗やみ。

私はへなへなとその場に腰を抜かした。
なんとか、その日は部屋に戻りベットに横たわるとすぐさま意識はなくなった。

翌朝……
どことなく疲れたまま、もそもそと朝ごはんを食べるなか、祖母の不思議そうな声が聞こえた。

ばば「盛り塩、崩れてんなぁ、お前らぶつかったか？」
兄・弟「「近づくわけがない」」
ばば「んだよな…なんだ、濡れてんな？」

玄関扉の内側に置かれた盛り塩が、まるで、水滴が落ちて窪んだようになっていた。
私は深夜の出来事を誰に言うこともなく、水と飲み込んだ。

古い家がなくなったことで、ナニカも、家から追い出されていたのかもしれない。

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