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マサヤス 龍之介
#演歌 #演歌の星 #ひとり酒 #肴はあぶった烏賊
☆『舟唄』考 .1
八代亜紀が亡くなってもう一年が経過した。晩年にはジャズに挑戦したり精力的に"歌手"をしていた。八代亜紀は下積み時代は銀座のナイトクラブで歌う無名歌手で、時には酔客の求めに応じて様々な歌を歌わなければいけなかったので、当然ジャズスタンダードもレパートリーの内だった。八代がジャズを唄う、と聞いてあのハスキーヴォイスはむしろジャズスタイルなのになぁ、と思ったものだった。もっと早くにジャズスタンダードをレコード化しても良かったくらいだ。八代の♫Fiver を聴いたがペギーリーの唄ったオリジナルより更にドスが効いていて、深い味わいがあった。2012年に出したジャズアルバム『夜のアルバム』は彼女の新境地を開いた。八代はベテランになってから一度喉のポリープ除去手術を行ったがその辺りから往時の高音が出なくなり、以降は1オクターブ下げざるを得なかった。それが返す返すも残念であった。が、ジャズは高音を出さなくても済むのでその回避策でもあったのだろう。さて、話は変わるが日本人のこころ と言われて久しい演歌だがその心は…未だに結論が出ない。日本特有の歌の世界なのは分かるのだが、私は演歌と懐メロは明確に違うものだと思っている。懐メロとは、少なくともソフトがSPレコードで発売されていた昭和36年辺りまで、と線引きしている。そのあとのビニライト盤で発売されてステレオで録音されだすと演歌、ムード歌謡と幾種類かに分類出来るが、何故懐メロと演歌を分断するかと言うと、伴奏の楽団の編成の違いにある。レコード各社の専属楽団がジャズ編成のビッグバンド風からエレキギター🎸やエレピと言う其れ迄にはないロック風な編成に移行した辺りを懐メロと演歌の端境期と見ると判りがいいからだ。懐メロの時代は演歌風の節回しでもジャズ風のサウンドだったりする。そう!言って見れば、懐メロはジャズの時代だった。
然し、昭和も30年代に入るとロックの台頭で次第にジャズの勢いは衰えてゆく。
ジャズに元気があった時代までは服部良一さんなどは流行歌にジャズ的風味を効かした名曲を量産したが30年代に入ると極端に書く曲が激減する。それも、時代の流れと簡単に切り捨てられまい。
つづく…。

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