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その日は非常によく晴れた日の午後でした。
彼は家の近くの公園でランチをしようと彼女と約束をしていました。待ち合わせの15分前に着いたはずが、彼女の方が先についていました。
「早かったね」
「そうなの。ちょっと気合い入りすぎちゃったみたいで…」
えへへと笑いながら彼女は恥ずかしそうに頷きました。彼女は彼が到着する20分前に着いていたのですが、彼がその事を知る事はありません。
それからややあって、彼女と彼の小さなピクニックが始まりました。
2人はお互いに作ってきた料理をパステルカラーの花々が散りばめられたピクニックマットの上に広げていきました。ハムレタスサンド、ハムチーズサンド、ツナマヨサンド、サラミチーズサンド、トマトサンド、カツサンド、フィッシュサンド。ピクニックマットの上に小さなサンドイッチ屋さんが出来てしまいました。2人はお腹を抱えて笑いました。
「これは…手作り?」出来栄えを見て疑問に思った彼女が、彼に問います。
「びっくりした?意外と上手に出来たから自分でも驚いたよ」彼はそう言ってにへへと笑いました。
彼女は彼の「にへへ」という笑い方を気に入っています。
お互いが作ってきたサンドイッチを食べながら、あれやこれやと感想を言い合っていきます。彼は端的に。彼女は詳細に。
「美味しいなぁ」彼がそういうたびに彼女は嬉しくなりました。
「あぁ…美味しい…」彼女の美味しそうに食べている顔を見ながら、彼は微笑んでいました。
一通り食べ終わった2人は、背中合わせで三角座りをしながら、お互いの趣味を堪能します。
彼は小説読み、彼女は編み物をしていました。時折何気ない会話を交えながら、時には2人でうたた寝しながら、繊細に編まれた2人の時間は、普段よりもゆっくりと流れているように感じました。
「いやぁ…楽しかったなぁ」彼が独り言のように呟きました。
「ほんとだね。楽しかった」彼女も目を閉じながら噛み締めるように呟きました。
「またいつか、こうしてピクニックしようね」彼が優しい声で言いました。
「うん。またいつかしようね」彼女も穏やかな口調で返します。
2人は帰り支度を済ませて、公園を出ていきました。
繋いでいた手を離す時、2人はほんの少しだけ躊躇いました。
ほんとのほんとに少しだけ。
絵 @ゆるり*

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