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ヒロ🦻【えんの木】
今回は「ヨガを用いた心理療法６つ」についてお伝えしました。
「有村達之（2014）ヨーガを取り入れた心理療法のエビデンス」という論文からの引用
① MBSR
・Kabat-Zinn
・仏教の修行法であったマインドフルネス瞑想から宗教色を取り去り，慢性疼痛に対する介入法として開発されたもの
・対象疾患：線維筋痛症，リウマチに伴う痛みや腰痛症などの慢性疼痛，がんにおけるQOL低下，心臓病，多発性硬化症など慢性疾患に伴うQOL 低下，臓器移植に伴う不安や抑うつ，HIV 治療に伴う副作用，更年期障害など
・今この瞬間において，次々と生じている体験に，価値判断をしないで意図的に注意を向
けることによって得られる気づき、を醸成する
・構成：8週間、毎日45分・静座瞑想，ボディースキャン，ヨガ
・正式な長時間の瞑想練習以外にも生活の中でマインドフルに行動することも推奨
→ 究極の目標：マインドフルなライフスタイルの獲得→痛みなどの身体症状やストレスがあっても圧倒されず，症状や痛みと共存
・MBSRにおける静座瞑想…椅子に座る，あぐらをかく
・呼吸法…最初にする。自分の呼吸を観察し，注意が呼吸からそれたらそのことも観察し，また呼吸に戻る
・ボディースキャン…仰向で横になり，全身の身体感覚を意識して観察する
・MBSRのヨガ…一般的なヨーガが意識的な呼吸を行うが，呼吸は自然なペースで行う
・安全性…7つの研究では有害作用は報告されていない
②Women’s Adventure Group
・Kessell, 1994
構成
・8セッションからなる集団療法
・3セッションのヨーガおよびダンス療法
・4日間のロッククライミング体験など
・対象：大うつ病，PTSD，気分変調症，不安障害， 適応障害
・目標：自分自身の身体、感情、スピリチュアルな自己、参加者同士の精神的結びつきを強め，セルフコントロールや自己評価の改善，孤立感の解消
・有効性：自己評価、孤立感を改善するとしているが、標準化された心理尺度やランダム化比較試験による本プログラムの効果検討はなされていない。
・安全性や経済性に関する情報は見いだせなかった。
→コメント欄に続く
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ヒロ🦻【えんの木】 投稿者
【続き②】 ③摂食障害予防プログラム ・対象：小学5年生 ・摂食障害予防プログラム ・構成：10セッションを毎週やる集団療法・摂食障害の危険因子，防御因子についての講義，ヨガ，リラクセーション技法の実習 ・有効性：ランダム化比較試験による検討はないが、身体への不満足感，やせへの欲求、メディアの影響などについて効果があったとされる（Scime et al.2006）。 ・安全性と経済性に関する情報は見いだせなかった
ヒロ🦻【えんの木】 投稿者
【続き③】 ④Attunement in Mind, Body, and Relationship ・枠組み：認知行動療法，弁証法的行動療法，認知的不協和理論，ポジティブ心理学，ヨーガなどの身体志向の心理療法についての研究知見などを統合したAttunement理論 ・摂食障害治療プログラム ・Scime et al.（2006）のプログラムと同じ研究グループによって開発された。 ・1回2時間、6～8 セッションの集団療法 ・構成：人間関係やメディアの影響など摂食障害を悪化、改善要因の講義、ヨーガ，詩や書籍の感想表現，瞑想実践など ・有効性：24名の摂食障害患者のやせや身体的不満足改善
ヒロ🦻【えんの木】 投稿者
【参考】 有村達之（2014）ヨーガを取り入れた心理療法のエビデンス．応用障害心理学第13号
ヒロ🦻【えんの木】 投稿者
【続き⑤】 ⑥Mind Magic Program 構成：ヨガ，視覚イメージによるリラクセーション，呼吸法，ストレスについての話し合いなどを含む50分の毎週のセッション5回 ・対象：子どものためのストレス対処プログラム ・ランダム化比較試験で，特に神経質で内向的な子供のストレスに効果がある ・安全性と経済性に関する情報なし
ヒロ🦻【えんの木】 投稿者
【続き⑥】 〇ヨガを用いた心理療法のエビデンスは少ない ・ランダム化比較試験や複数の研究グループによる追試など効果検証が十分に行われているのはMBSRのみ（慢性疼痛とがん） ・介入内容もヨガ以外にダンスなども含まれていて本当にヨガに起因した効果なのか不明。でもヨガを用いた心理療法には伝統的な心理療法を超える潜在力があるかも ・そもそも心理療法には肯定的な治療効果がある一方で， 逆に症状が悪化する患者が少数はいる