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Sora💫

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1/5 第壱章「天下御免」

杏はエオニス島の未探索の地を散策していたとき、予期せず和風の街並みがホログラムで再現されている区域に迷い込んだ。2050年のナノテクノロジーとホログラムが融合したこの島では、現実と仮想が見事に調和していた。古めかしい石畳の道と、その周囲に広がる静かな田園風景は、どこか懐かしい日本の一片を思わせる。

「ここは一体どうなってるの?」杏が疑問を投げかけると、イオンの声がイヤフォンから静かに答えた。

「杏さん、ここはエニグマ様が特に気に入って設計したエリアですね。ホログラムで和風の景色を完璧に再現しており、この土もナノテクノロジーで特別に加工されています。実際の自然の土と同じように、足元の衝撃を和らげるよう設計されているため、歩きやすく、長時間でも疲れにくいのです。」

興味をそそられた杏は、軽快な足取りでその道をさらに進んでみることにした。足元の土は柔らかく、まるで自然のトランポリンのように彼女の足を弾ませた。驚くほど疲れを感じずに走ることができるのだ。

「イオン、これは昔の飛脚が使っていた技術と関連があるのかな?」彼女が問い掛けると、イオンは興味深い情報を提供した。

「そうかもしれませんね。古代の飛脚は、このような環境で疲労を最小限に抑えながら効率的に長距離を走る技術を磨いていたと考えられます。今、杏さんが体験しているこの感覚は、その古代技術の再現とも言えるでしょう。」

「そういえば飛脚の走法ってロストテクノロジーなんでしょ?」杏が尋ねる。

イオンは少し考えて答えた。「一般的にはロストテクノロジーとは認知されていませんが、走法が現在も再現できていないと言うことは、そう呼ばれていても、おかしなことではありません。」

杏は新しい発見に心を躍らせながら、さらにその感覚を探求することに決めた。この地での体験が、彼女の理解を深め、同時に飛脚としての技術をよりリアルに感じさせてくれたのだった。
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コメント

ほんびのす💋🪚💡

ほんびのす💋🪚💡

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後ろでサルノコシカケみたいに山肌にくっついてる丸屋根の建物すごい好きだ…!!かわいい〜!!

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