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マサヤス   龍之介

マサヤス 龍之介

シャシンの残照  ♯ 217

#アメリカ古典映画

☆『救いを求める人々』/ ユナイテッドアーチスツ(米)

1925年大正14年封切 監督・脚本・撮影:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 出演:ジョージKアーサー ジョージア・ヘール 
 
※ 紐育の油じみた港に、幼い孤児を連れた二人の男女がやってきた。二人はもう生きることに疲れきっていた。青年(ジョージKアーサー)は気が弱く、社会の冷たい壁をぶち破って生きてゆくような勇気は無かった。そして娘(ジョージアヘール)は、自棄になって堕落の底へわれとわが身を落とし込む気持ちでいた。娘の美しさに目を付けた町の愚連隊がこの三人に部屋を斡旋してくれた。青年の就活は上手く行かず、孤児は空腹で泣きだす。たまりかねた娘は、我が身を売ることを決心、そこに恰度、買手の中年紳士が現れたがいざとなると青年への愛から身を守るが、紳士は黙って金を払ってくれた。間もなく、愚連隊の兄哥が三人を郊外へと誘った。娘をモノにしようと云うのだ。その下心を知った青年は兄哥と格闘した。が、ただの遊び心の兄哥が命懸けの青年の真剣さに太刀打ちできる訳がない。青年に漸く、生きる勇気が湧いてきた。そして娘と孤児を一生守ってゆくことを誓うのだった。
 それまで無名の映画青年だったスタンバーグの立身出世のキッカケになった作品である。誰よりもこの可憐な作品を高評価したのはアメリカ国民だった。映画と云うものは、何も豪華なセットを作り、美男美女を踊らさなくとも、立派に出来るモノだと云うことを教えてくれたのだ。そしてスタンバーグはこの一作によって認められた。最初に高評価してくれたのはあの、チャップリンであった。以降『暗黒街』『紐育の波止場』『女の一生』と立て続けに傑作を生み出していき、1930年代に入りドイツの名花 マレーネディートリヒと云う得難い才能を得て揺がぬ地位を築いていく。
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