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かすみ
「バベットの晩餐会」
ガブリエル・アクセル監督
…時代は19世紀。舞台は重苦しい雲と海を背景としたユトランドの片田舎。2人の姉妹は牧師の父に仕えて、清廉な人生を過ごして、年老いる。2人には若かりし頃、一度だけ淡い恋があった…
ある日、フランス革命で亡命して来た女性バベットが姉妹を尋ねて、家政婦として働く事になる。
つましい生活をしていた彼女に、14年後思わぬ大金が入り…かつては有名シェフであったバベットは一度だけの素晴らしい料理を振る舞い、2人の老女達は一瞬の至福の時間を過ごす
…晩餐会の奇跡の時間以外は、淡々と穏やかな空気が流れる映画ですが、私は好きでした
映画を観た後に、ふっと昔の記憶が蘇りました
…当時、私は新規の業務を必死で行い、終電になる程に仕事を頑張っていました。その時親しくなった営業のIさん。10歳程年上の彼は時折、私を車で送ってくれたり、食事に誘ってくれました
…その後、私の部署の異動が決まり、どうしても彼にお礼がしたかった私は、フランス料理のディナーに誘いました
店の名は「オルフェ」。今は亡きそのお店でのたった一度だけの食事は、窓から満月が少しずつ昇るのを、見ながら楽しい時間を過ごした記憶だけが残っています
奇跡の様な事は、何も起こらなかったけれど…。
現実の壁にぶち当たりながら、まだまだ夢見て、毎日を今より一生懸命過ごしていた頃の話です✨
…この私の思い出にまつわる、あるエッセイの一節を紹介します。
「幸福の無数の断片」
中沢新一
この本の中に映画紹介はありました。
『ただ一度だけ』
…デンマークの小さな村で開かれたこの晩餐会は、たった「一度だけ」しか実現できないものだけに可能な、奇跡をおこすのだ。人間は「ずっと」と「一度だけ」のあいだに引き裂かれたまま、生きなければならない。でも、ここでは奇跡がおこったのだ。すばらしい料理が「ずっと」と「一度だけ」のあいだに、幸福な結婚の瞬間をつくりだしたからだ。
その結婚のよろこびをほんとうに理解できる人間は、たぶんその一生を、「ずっと」と「一度だけ」のあいだに引き裂かれ、そのふたつのあいだをラジカルな振幅をもって生きてきたような人にちがいない。料理は感覚的なものの世界のなかにあらわれた、目に見えないものの「栄光」を感じとるためのアートだ🌟


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はじめまして! 私も映画や小説が大好きです。 おもに外国文学ですが、日本人作家は、村上春樹先生、村上龍先生、島田雅彦さん、阿部和重さんを読みます。 友人になってくれませんか? よろしくお願いします。
しの🐈🐾
興味のある作品ですね!
dai
面白そうな映画ですね✨
エグゾセ
❤のお礼にうかがって、すてきな文章を拝読させていただきました。 ありがとうございました😊