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あお🫧
@みっちー ×あお
「歩幅」
(あおサイド)
私は歩幅を合わせるのが苦手。
「変な人」って、よく言われる。
気づけばいつもひとりぼっち。
近づきすぎると息苦しくて、
遠すぎれば寂しい。
そんなめんどうな私。
「着いたよ」
「うん」
車を降りた私は、彼を待たずに歩き出す。
きれい──
変わりゆく景色に心を奪われ、立ち止まる。
辺りが暗くなった頃、
ようやく彼の姿を探す。
と言っても、振り返るだけ。
いつも彼は、変わらず待っている。
私を含めた風景を、静かに見つめながら。
彼のカメラには、後ろ姿の私の写真がたくさんあった。
ねぇ、なんで私なの?
やさしい眼差しに、胸が痛む。
写真に、あなたに、視線を送ってくれる誰かの写真の方が、あなたを幸せにするんじゃない?
「いい写真が撮れた」
そう言って見せる誇らしげな笑顔に、また胸が痛む。
「あのさ、生まれ変われるなら、私はあなたになりたい!」
「え?どういうこと?さては写真の腕に嫉妬してる?」
「ふふ」
そう言って、私は彼を待たずに車へ向かう。
---
(みっちーサイド)
こっちの方がいいかな?
僕はいつも周りに流されてきた。
「優柔不断」や「自分の意思がない」って言われる。
気づけば周りの人に合わせてる。
そんな奴。
でも僕は、自分の意思で彼女といることを望んでいる
「着いたよ」
「うん」
彼女は車を降り、海へと歩き出す。
夕日と彼女が重なった。
「綺麗」
思わず声に出てしまった
あたりが暗くなり、彼女が振り向いた。
僕を探してるように見える。
それがなんだか嬉しい。
パシャッ
思わず持っていたカメラのシャッターを切った
「いい写真が撮れた」
彼女が写った綺麗な写真を見せたくて
近くへ駆け寄った
「あのさ、生まれ変わるれるなら、私はあなたになりたい!」
変なことを言うもんだ
僕は君のようになりたいと思っているのに────
なんて言えずに、おどけてみせた。
「え?どういうこと?さては写真の腕に嫉妬してる?」
「ふふ」
彼女は何故か笑って車へ向かって歩いた。
僕にとってはそんな自由な彼女が好きだった。
---
(あおサイド)
その日も、私は少し先を歩いていた。
潮の匂いと、きれいな貝殻。
ふと足を止めて、しゃがみ込む。
振り返れば、彼はやっぱり少し後ろ。
カメラを構えて、何かを見ている。
「なに撮ってたの?」
覗き込むと、そこには私が見ていた小さな貝殻と、
その向こうに広がる海が写っていた。
「私たち、同じ景色に心を奪われたね。おそろいだね♪」
「うん。でも、君の後ろからだと、君が惹かれた理由がわかる気がする。」
彼はそこで、少しだけカメラを傾けた。
「それに…ここからだと、君の見てた景色に、君ごと入るんだ。」
──その言葉に、胸の奥で何かが静かにほどけていく。
私はずっと、彼が歩幅を合わせてくれていたことを知っていた。
だからこそ、横を並んで歩ける人の方が、きっと彼を幸せにすると思っていた。
でも、違った。
彼は、合わせることを選んでいた。
私のためじゃなく、自分のために。
私ごとの景色を、見るために。
あの日の私たちは、
結局、歩幅を合わせないまま海をあとにした。
それからも変わらず、
私は先を歩き、
彼は少し後ろでカメラを構える。
きっと、この距離が私たちの歩幅。
誰かが見れば「合っていない」と笑うかもしれない。
でも私には、この距離が心地よかった。
私たちは‥‥
この距離感で、これからも歩いていく。
波の音に混じって、風がそっと伝える。
歩幅は違っても、心はひとつ。
互いの景色を尊重しながら、
ゆっくり、でも確かに、歩み寄る。
まだ見ぬ明日へ向かって。
---
(みっちーサイド)
また、海へドライブ
潮風と前を歩く彼女。
彼女は突然しゃがみこんで何かを見つめている
視線の先には小さな貝殻
と
その後ろに広がる海
いつものように写真を撮る
「なに撮ってたの?」
──綺麗な海とそれに負けない綺麗な君だよ──
なんてキザな言葉が頭に浮かんだがすぐに照れくさくなって、無言でカメラを見せた
「私たち、同じ景色に心を奪われたね。おそろいだね♪」
「うん。でも、君の後ろからだと、君が惹かれた理由がわかる気がする。」
──僕は君に1番惹かれているんだけどね笑
「それに…ここからだと、君の見てた景色に君ごと入るんだ。」
──彼女はずっと何かを気にして、僕との距離を離していたのは気づいていた。
どうせ、「私じゃなく、横を並んで歩いてくれる女性の方がいいよね」なんて考えてるだろうけど。
でもね僕は君といることを選んだんだ。
僕よりも前へ、先に…先に行く君を追いかけていきたいんだ。
これは君のためにじゃなくて、僕がそうしたいから。
自由で、ちょっと天邪鬼なそんな君と居たいから。
他の人から見れば、僕はあの子に振り回されてるように見えてたりするんだろうけど、僕たちはこれがお互いの心地よい距離感なんだよね
僕たちは…
この距離感で、これからも歩いていく。
波の音に混じって、風がそっと伝える。
歩幅は違っても、心はひとつ。
互いの景色を尊重しながら、
ゆっくり、でも確かに、歩み寄る。
まだ見ぬ未来へ向かって。
#海辺の物語#心地いい距離#ことばりうむの星#響き合う声たちイベント#自由合作アンサンブル
𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸𓂃𓈒𓏸
🎼編集後記🎼
(みっちー)
今回は私の提案で写真からストーリーを考えるという形にしてみました!
あおさんの創造力には毎度驚かされます。早いのなんの!
切なげで少し甘い 2人の視点で物語をよんで見てください( . .)"
(あお)
みっちーとの合作、第2弾はいかがでしたか?
今回はみっちーの写真からインスピレーションをもらい、そこに写っていない「撮っている人」と被写体の距離感や空気感を描いてみたいと思い、あおサイドからスタートしました。
自己中な女の子(あおサイド)と優柔不断な男の子(みっちーサイド)の関係性も、返歌スタイルを通して自然に表現できたのではないかと思っています。
写真は一瞬の景色ですが、その向こうにあるふたりの心の距離や歩幅の違いを感じていただけたら嬉しいです。
読んでくださり、ありがとうございました!

響き合う声たち 🎻~自由合作アンサンブル~
参加

akari
終わって欲しくねえと思ってしまう
引き伸ばすだけ引き伸ばしてこのオチ…?みたいな作品って何処にでもあるけどそういう気持ちだったんかなみたいになる
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