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ルーチョ・フォンターナ


初めて美術館に行った時に。
この作品を見て。

私は、こんな世界を素敵だと思って。


この気持ちを私の美術の師匠に話したら。
師匠も、好きだと。
それがとても嬉しかったのです。

師匠は、いつも。
ゆっくり、観ておいで。
ただ心の思うままにって。





黒く塗りこめられた画面中央が切り裂かれており、この痕跡は、絵画というものが木枠に張られた布からできていることを知らしめます。西洋絵画の歴史においては長らく、絵画は聖書や神話の場面が、まるでそこに本当にあるかのように写実的に、しかし理想化して美しく描かれることに重きが置かれてきました。そうした価値観を根底から覆したのが、近代以降の画家たちでした。フォンターナの作品は、画布に描かれたものではなく、またその表面でもなく、画布の裂け目に生まれる奥行へと目を向けさせます。さらに、布でものを包んだり覆ったりするクリストや、布をつるしたりたわませたりして美しい形状を作り出す庄司達は、布という素材を巧みに造形表現に取り込んでいます。
布は人々の日常生活において非常に身近な素材です。糸が紡がれ、染織され、縫製され、衣服やインテリアなどに活用される布と、それを用いる人々の関係性は、様々な着想をアートにもたらします。ここでは、「テキスタイル・デザイン」、「模様」、「染織・刺繍」、「衣服」をテーマに作品を取り上げます。
それぞれのテーマを通して、布のもつ造形性だけではなく、生活における布の役割やそれを用いる人との関係性が、アート作品のなかでどのように表現されているのかを紹介します。
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