ドラえもんの道具を一つだけもらえるとしたら？やっぱり、どこでもドア♪

この前、行きつけのバーで、マスターに、
「今日で年内最後ですか？」って聞かれて。
え〜どうかな〜って迷ってたら、
「じゃあ、一割くらい期待して待ってます」って言われて、
昨日が今年最後の営業だったから、
つい、その一割に乗っかってしまった。

私に言ったら来てくれそうって
ちゃんと読んで言ってるんだろうな〜とも思った。
でも押しすぎずに、
「一割くらい期待して待ってます」って言い方で、
来ても来れなくてもどっちでも大丈夫ですよ、
って選択肢をくれるあたり、うまいな〜って思った。
営業だとは思うけど、
少しだけ気があるような気もしていた。

年末だし混んでるかな〜って思いながら、
22時半くらいに恐る恐る
隠れ家みたいな店のドアを開けたら、
もう帰りそうな1組だけで、ほぼ貸し切り。

一人忘年会のつもりだったのに、
気づいたらマスターとずっと話してた。
そしたら、
「忘年会付き合ってくれませんか？」
「チャーム用のローストビーフもあるし、
好きなお酒も作りますよ」って言われて。

営業終わりにそのまま店で飲むことになって、
いつもはカウンター越しにいるマスターが隣に。
なんか不思議な時間だった。

途中、ちょっと酔ったマスターが
「酔って余計なこと言いそう…」って言って、
小さく何か言った。

聞こえてたけど、
聞こえなかったふりをした。

そしたら向こうも
「いや、何でもないです」って感じで、
そのまま普通に話に戻った。

非日常だった場所が
少しだけ現実に近づいた感じもして。
あの空間が
ほんの少し歪んだ気がして、
それがちょっと怖かったのも本音。

本当は、名前とか職業とかを
バーテンダーのほうからは聞かない、
そういう距離感を大事にしてるバーだった。

だから、SNSで繋がったり、
生活が少し見えるようになることで、
あの非日常の世界観が薄れちゃうかもしれないって、ちょっと思った。

「今日行ったら何かあるかも」って少し思っていたら、何かはあった夜だったなって思う。

店を出たあと、
「タクシー捕まらなかったら戻ってきてくださいね」ってメッセージが来て。

結局戻らなかったけど、
戻っていたら、どうだったんだろう？
戻らなかったのは、たぶん正解だったけど。