以前ご質問のあった歴史についての世界観設定です。追加があればまた書きます。

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___（線）

2025/12/02

以前ご質問のあった歴史についての世界観設定です。追加があればまた書きます。

今度は「真実の歴史（人々（この世界の住人）が知らない歴史）」です。

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この世界には実世（ミノリヨ）と虚世（ウツロヨ）が存在している。
実世とは物質的な世界。虚世とは魂のみの存在する非物質的な世界。

太古の昔、この世の物質的な世界、実世は一つだった。
ネシュアという存在はおらず、人間という種族がこの世界には存在した。
人間は世界に漂うセチルニリルセルチウムという物質を介して、世界に存在するあらゆるものに干渉しながら生きていた。
つまり人間は好きな魔法を自由に使うことができた。
それは精神力を魔力に使用したりすることもない、まさに無限の力だった。
それゆえに人々は進化や発展を忘れ、ただ皆が漫然と生を消費するだけの世界になっていた。
しかし世界にとって、セチルニリルセルチウムを介した世界への干渉は、物質の過剰な増減と人間の「魂の輪廻」の崩壊という重大な問題を抱えていた。
物質的な世界において、物質の過剰な増減は、それまでの自然環境の汚染や崩壊、惑星自身への負担、それ以上に人間が現れる前までの世界の自然法則の崩壊を引き起こしていた。
また本来輪廻するはずの魂が魔法によって輪廻から外れることは、その者の魂を不安定にさせ、魂が輪廻せずに消失し、それが続けばこの惑星から生命が消失することを意味していた。
そんな世の中で、一人の若者は悟った。このままではいけないと。
そして世界の変革を決めた。
まずは世界へと影響を与える原因となるセチルニリルセルティウムという物質を消すことだった。
しかし物質を消すことはそれこそ世界の本質を変えてしまうに等しい。
そこで若者は物質の特性として、二つの物質に分解することにした。
そうしてできた物質がイニチリウムとフェクトニウムだった。
フェクトニウムは通常の環境下では自然と固体化するため、フェクトニウム鉱石となった。
しかし分解してできた物質イニチリウムは、人体にとって精神を崩壊させる毒性を有し、また惑星上の銅ととても反応しやすく、銅の導電性を極端に低下させた絶縁銅へと絶縁化させる特性があった。
そのため人間への毒性の観点から見てそれを隔離する必要があった。
また他にも魂の輪廻から外れた者たちに対し、肉体と魂を繋ぐ精神の、肉体との繋がりと絶った。
魂と分離させられた肉体は、徐々に腐敗し自然へと帰る。
そして輪廻から外れた魂たちは、行き場を失い消失するはずだった。
しかし若者はその魂たちを幽閉しつつ、精神面に毒性のあるイニチリウムを隔離するための新たな世界を創造した。
それがイシュカドル（精霊界）だった。
イシュカドルは輪廻から外れた魂たちが魂だけでも存在できる虚世に作られた。
そのためイシュカドルに移動した魂たちは、輪廻せずとも自己の魂を保つことができた。
しかし魂に記憶はほとんど蓄えられず、ほとんどの魂たちは自分の存在が何だったのかを忘れていった。
またイシュカドルの魂たちは実世に出れば消失してしまうため、イシュカドルの中でしか生きられない存在となった。
しかしイシュカドルの中では、魂たちはイニチリウムを介して世界の理に干渉することができた。
このイシュカドルに幽閉された魂たちが、後の世でネシュア（精霊）と呼ばれる存在になっていった。
そして世界の一部には、若者が実世と虚世を行き来する際に使用していたゲートが残った。

イシュカドルにイニチリウムを隔離し、フェクトニウム鉱石しか残らなかった実世では、人々は世界への干渉を行うことができなくなった。
そのため人々は新たな生活基盤を作らざるをえなくなった。
しかし大衆はなぜこのようなことになったのか、知ることはなかった。
若者が誰にも言わずに世界の構造を変えたこと。
そして最後の世界への介入として、それまでの歴史を全て、人々の記憶から消したためである。
人々は元々世界への干渉などできなかったかのように振る舞い、生活をするようになった。
若者もそれ以上のことはしなかった。
そしてその若者は、自分も世界の理に従い輪廻した。
そうして世界の真実を知るものはいなくなった。
そう、特別な力を持ったままネシュアとなった魂を除いて。