最後に想定外の事起きてまぁまぁしんどい笑｜うかの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

「危険な状態です」と言われてから、兄を看取った4時間。何度も何度も何度も、思い出す。

父は絶叫して錯乱していた。
立っていられなくなり、何度も絞り出すような唸り声を上げて地面に泣き崩れていた。

母も子どものように泣きじゃくって叫びながら、何度も嗚咽のような声をあげていたし、
私も口の中に血が滲むほど兄の名前を叫んだ4時間だった。
その場にいる全員が、ボロボロになった兄を囲み、狂ったよう泣き叫んでいた。
本当に、何度思い出しても地獄のような光景だった。

でも、兄が息を引き取る少し前、ずっと泣きじゃくって叫んでいた母が、一度だけ泣き止んで、苦しそうにする兄の、頭の方に近づいて、兄の耳元に口を近づけて、囁いていた。

「（名前）聞こえる？母さんだよ。大丈夫だからね、ずっと一緒にいるからね、ありがとう。よく頑張ったね、本当によく頑張った、偉かったね、凄いね。私の可愛い可愛い、大好きな（名前）。生まれてきてくれてありがとう。あなたのお母さんで幸せだったよ。これからもずっと一緒にいよう。母さんの子どもに生まれてきてくれて、本当にありがとう。ずっと大好きだよ。ずっとずっと一緒だから。ありがとう。」

ポロポロと泣きながら、叫ぶわけでもなく、傷が付いていない方の頭をそっと撫でながら、目を閉じて、ゆっくりと、とても優しい声で、そう話しかけてた。
叫び散らしたいのを我慢していたのか、囁きながら母は、時々声を震わせていた。

この中で今、1番苦しくて怖いのは私たちではなく兄なんだと、母はきっとその時、わかったのだと思う。
まだ聞こえているかもしれない兄に、今かけることができる1番の言葉を、今伝えたい1番の気持ちを、できるだけ優しく、いつもの母の声で話しかけていたのだと思う。

私は親になったことが無いので、子を失う親の気持ちはわからない。
けれど何度思い返しても、その時の母の姿を思うと、胸が張り裂けそうになる。