「サピエンス全史」読みました。この本は人類の繁栄を3つの革命すなわち、認知革命、農業革命、科学革命から説明する本です。端的に言えば、認知革命は動物から人間への契機であり、農業革命は自然から文明への契機、科学革命は既知から未知への契機と言えます。この本の面白い点は、ただホモサピエンス全体の歴史のダイナミズムを説明するだけでなく、個々の人間の幸福にまで踏み込んでいる点です。また、最終章では人間を超越した新人類についての悲観的な警告をしている点も特徴です。AIの発展とともに、人間固有と思われていた能力が非有機体にも可能なことが判明してきている現代の我々にも刺さる内容です。タイトルの「サピエンス全史」は、これまでの人類史という意味だけなく、これからは新人類の歴史が始まり、旧人類の歴史はこれで終わりというダブルミーニングなのだと思います。